栃木の学童補助金問題 元理事、百条委で工事見積書について証言

2025/12/16 19:45 

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 栃木市の学校法人「陽光学園」(佐山和章元理事長、7月に解散認可)に2022、23年度に交付された補助金について調べている同市議会の調査特別委員会(百条委員会)で16日、学園の元理事に対する証人尋問があった。群馬県板倉町の学童クラブ板倉校(今年3月で廃止)で園長を務めていた元理事は、栃木市の藤岡校開設前の施設改修工事の見積書について「板倉校の工事内容ではないかと思う」と証言した。

 市などによると、学園は「ひまわり学童クラブ」の名称で、同市の藤岡、岩舟校、板倉町の板倉校の3校を運営していた。板倉校が22年4月、藤岡校が同年11月、岩舟校が24年4月に開設した。

 板倉校の開設に向けては、経営者が同じ市内のバス会社「ティ・エイチ・エス」(THS、佐山社長)が22年3月、中小企業庁から交付される国庫補助金が原資の「中小企業等事業再構築促進補助金(20年度第3次補正分)」として6000万円の交付決定を受けた。藤岡、岩舟校については学園に市、県、国から施設改修等補助金(市は民間学童保育事業補助金、国は放課後子ども環境整備補助金)として各1200万円が交付された。

 この日の百条委では、学園が施設改修等補助金を受けて整備したとする藤岡校の施設改修費見積書を示し、委員が元理事の証言を求めた。

 元理事は「内容を見せていただくと、板倉校の工事内容かと思います」とし、根拠について「板倉校では職員室の工事をしており、『職員室』の記載がある。古い建物で雨漏りがひどく、何回か(屋根の)工事をした」と述べた。

 資料は非公開で、百条委によると、見積書は市内の建築会社がTHSに宛てたもので見積額は5500万円という。

 学園に交付された補助金を巡っては、使途を示すために学園が市に提出した添付資料に、THS、同社長の「チャンプオート」宛ての請求書が混在することがこれまでの調査で判明している。【太田穣】

毎日新聞

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