バトントワリング選手に性的暴行 元コーチに懲役6年 京都地裁判決

2025/12/15 13:32 

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 バトントワリングチームの男子選手に性的暴行を加えたとして、準強制性交等などの罪に問われたチームの元コーチ、小城桂馬被告(41)に対し、京都地裁(大寄淳裁判長)は15日、懲役6年(求刑・懲役7年)の実刑判決を言い渡した。

 被告は2023年2~3月、京都市内の自宅で男子選手に複数回わいせつな行為をしたほか、抗拒不能(心理的・物理的に抵抗することが著しく困難)の状態であることに乗じて性的暴行を加えたとされる。

 公判で弁護側は、性的な行為があったことは認めたが、「抵抗できない状態に乗じてはいない」として無罪を主張していた。

 25年5月にあった検察側の証人尋問で、モニターを通じて出廷した男子選手は「(小城被告に)反抗すると練習を見てもらえなくなる人もいた」と証言。自身も練習を見てもらえなくなることを避けたかったと説明した。

 検察側は論告で、自身を尊敬し、慕っていた若い男子選手との関係性を被告が利用したと指摘し、「(男子選手は)性的自由を侵害され、深く傷つき結果は重大だ」と主張した。

 最終意見陳述で被告は男子選手に謝罪し、「今後は関わる人との関係性や自分の立場を考えて行動したい」と述べた。

 被告は国際大会で活躍した元選手で、コーチを務めていたのはバトン界で著名な男子指導者が設立したチームだった。

 男子選手は事件当時、国際大会につながる全国大会を目前に控えていた。【水谷怜央那】

毎日新聞

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