天皇ご一家が石川光陽の写真展見学 雅子さま、語り部を気遣う場面も

2025/12/21 22:05 

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 天皇、皇后両陛下と長女愛子さまは21日夜、昭和館(東京都千代田区)で戦後80年にあたり開かれている「石川光陽写真展 戦時下の東京」を見学された。警視庁のカメラマンとして、空襲の戦禍や市民の暮らしを記録した石川光陽の写真を見つめた。戦争を体験していない世代の「語り部」たちとも交流した。

 ペットシッターとして働きながら「戦争と動物」をテーマに語り部の活動を続ける豊田梓さん(46)に、天皇陛下は上野動物園の猛獣処分の実話を描いた絵本「かわいそうなぞう」に影響を受けた体験を明かした。講話する度に泣きそうになるという豊田さんを皇后雅子さまは「つらいですよね」と気遣い、愛子さまはペットも毛皮として供出させられた歴史への理解を深めていた。

 ご一家は写真展の会場では、消火訓練や炊き出し訓練の様子、東京大空襲後の川の中の遺体収容作業を記録した写真などを見て回った。愛子さまは訓練規模などを案内者に確認しながら熱心に見入り、「東京の空襲を記録したカメラマンは光陽以外にいるのですか」などと質問。両陛下は「貴重な記録ですね」と話していた。【山田奈緒】

毎日新聞

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