大川原冤罪受け、最高裁が保釈巡って研究会 裁判官70人参加

2026/01/16 16:40 

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 化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の冤罪(えんざい)事件を受け、最高裁は15日、全国の刑事裁判官約70人を集めた研究会を開き、保釈のあり方を議論した。外部から実務に詳しい弁護士や検事を講師として招き、保釈を認めない理由となる「罪証隠滅の恐れ」をどう判断していくかなどを協議した。全国の裁判所で共有し、適切な実務につなげる。

 研究会は非公開。終了後に最高裁が約3時間に及んだ会議の内容を説明した。

 大川原化工機の元顧問、相嶋静夫さんは胃がんが見つかっても保釈されないまま亡くなり、最高検は「あえて保釈請求に反対しないなど柔軟な対応をとることが相当だった」とする検証結果を示している。講師となった東京地検の古賀由紀子公判部長が保釈に反対する場合は具体的な理由の主張をより徹底するようになったと説明した。河津博史弁護士は具体的な罪証隠滅の恐れがあるかを審査する必要性を指摘したという。

 参加した裁判官からは「弁護側や検察側と意見交換をして、罪証隠滅の対象や可能性、その対応策を具体的に考えていくことが重要」「罪証隠滅の恐れを過度に重視していないかを意識する必要がある」といった意見が出た。被告の健康状態について正確に把握し、生命にかかわる可能性がある場合は適切な治療につなげる責任があるとの意見も出たという。

 相嶋さんは亡くなるまで8回の保釈を求め、ともに起訴された社長ら2人も含めると保釈請求は計20回に上った。判断にあたった裁判官は計23人で、1度だけ相嶋さんに認められた保釈も検察側の不服申し立てで覆った。裁判所は憲法が保障する「裁判官の独立」の観点から、保釈に関する検証はしていない。【三上健太郎】

毎日新聞

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