「大屋根リング」設計の藤本壮介さんら6人受賞 毎日芸術賞・贈呈式
第67回毎日芸術賞(特別協賛・株式会社ユニクロ)の贈呈式が6日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開かれた。本賞および若手芸術家を顕彰するユニクロ賞の受賞者計6人が賞状盾などを受け取った。また、柳井康治・ファーストリテイリング取締役からカシミヤのセーターなどが贈られた。
「ガブリエル・フォーレ歿後(ぼつご)百年記念コンサート」などの成果で受賞したピアニスト、井上二葉さん(95)は「師匠たちから(演奏者の役割は)本人の感情を表すのではなく、作品そのものの姿を再現することだと教えられた。フォーレの作品は難しく苦労もしたが、作品に奉仕する気持ちが大事ならば乗り越えなくてはならない。美しいと思うものに仕えて過ごせることは幸せだ」と語った。
「岡崎乾二郎 而今而後(じこんじご)」展(東京都現代美術館)で受賞した造形作家・批評家の岡崎乾二郎さん(70)は「ものを作るということは、どれほど平和が脅かされる時代でも変わらないもの、残すべきことがあるという理念、理想を示すこと。そうした理念を残す仕事をしていきたい」と抱負を述べた。
小説「サイレントシンガー」(文芸春秋)で受賞した作家、小川洋子さん(63)は「活字の中から音が聞こえてくるような体験を(読者に)してもらいたいと思いながら書いた。デビューから38年間、小川洋子に小説を書かせようと粘り強く付き合ってくれた関係者の皆さんに感謝申し上げます」と話した。
「焼肉ドラゴン」「泣くロミオと怒るジュリエット2025」など3作品の作・演出で受賞した劇作家・演出家の鄭義信さん(68)は「3作品はいずれも再演。愛着のある作品だが、再演はとても熱量のかかること。スタッフやキャストなど関係者の力でこの場に立っていられる」と感謝した。
大阪・関西万博の大屋根リングの設計などで受賞した建築家、藤本壮介さん(54)は「世界の分断は激しくなっているが、さまざまな国や文化、多様な人が一つにつながることができるという希望のメッセージを発信できるのではないかと思い、大屋根リングを設計した」と振り返った。
40歳未満の若手を支援するユニクロ賞を、彩の国さいたま芸術劇場でのコンサート「キメラ―あるはずのないメソッドの空想」などで受賞した作曲家・音楽家の坂東祐大さん(35)は「日本から発信する作曲にどういう可能性があるのか。世界の複雑化が日に日に加速する中、何を投げかけたらいいのかを考えることが大事になると思う」と決意を新たにした。【西本龍太朗、松原由佳】
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