利下げしなければウォーシュ氏を提訴? トランプ氏の笑えぬ「冗談」

2026/02/06 16:54 

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 利下げしなければ提訴するかもしれない――。米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名されたウォーシュ元FRB理事について、トランプ米大統領がこう発言していたことが明らかになった。トランプ氏は冗談だとしているが、自身はFRBに大幅利下げを求める一方、ウォーシュ氏は元々金融緩和に慎重な立場だっただけに、今後の波乱要素となる可能性もある。

 米CNNなどによると、発言があったのは1月31日夜、首都ワシントンで開催された非公開の夕食会。その後記者団に対し「いじりであり、コメディーだ」と説明しつつ、ウォーシュ氏の就任を機に、利下げが進むことを改めて期待した。

 トランプ氏は大幅利下げに慎重なパウエル現議長に対する非難を繰り返し、米司法省が刑事捜査の対象とするなどFRBに圧力を強めてきた。

 トランプ氏は次期議長選出の際に、ウォーシュ氏が利下げ意向を示したことで選出したとしているが、かつては金融引き締めを志向する「タカ派」として知られていた。市場では大幅な利下げを実施するか見方が割れており、今後ウォーシュ氏とトランプ氏の間で溝が生じる可能性が指摘されている。

 野党・民主党のウォーレン上院議員は5日の上院銀行委員会の公聴会で、ベッセント財務長官に対し、「ウォーシュ氏がトランプ氏の望み通りに利下げしなかった場合」にパウエル氏のように捜査の対象とならないか問い詰めた。ベッセント氏は「それは大統領次第だ」と応じ、捜査の可能性を排除しなかった。

 金融政策を巡る議論をとりまとめるFRB議長への訴訟や捜査が常態化すれば、政策決定がゆがみかねない。冗談が現実になれば笑えない展開となる。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

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