<青赤のピッチサイドから>ニューバランス増加? 使用者多いのは…FC東京のスパイクリサーチ

2026/02/06 11:00 

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 Jリーグの2026年シーズンが開幕する。

 今季は特別大会「百年構想リーグ」という4カ月のリーグ戦が行われる。FC東京は7日、昨年J1を制した鹿島アントラーズをホーム・味の素スタジアムで迎え撃つ。

 今回は、毎年恒例になりつつあるFC東京の「スパイクリサーチ」。選手たちが愛用するスパイクについて取材した。記事後半には、クレバーなプレースタイルで広範な知見を持つ、あの選手のこだわりも。

 チーム始動日となった1月5日、選手のスパイクを調べるため、東京都小平市の練習場に足を運んだ。まず気が付いたことは、ユニホームも手がけるニューバランスのスパイクを履く選手が目立ったことだ。

 京都から加入した山田楓喜選手、U18から昇格した鈴木楓選手や田中希和選手らが選んだのは、軽さやフィット感が特徴の「Furon V8」。

 FC今治への期限付き移籍から復帰した大森理生選手、U18から昇格した菅原悠太選手らはボールタッチの感触が良い「442 V3」を着用していた。チーム関係者によると、FC東京の下部組織ではニューバランスのスパイクを推奨しており、使用者が多いという。

 ニューバランスが多く感じた理由はそれだけではない。チームの中盤を支える大黒柱、橋本拳人選手と高宇洋選手がニューバランスに履き替えていた。

 「昨年の終盤から試して、とても足のフィット感が良かった。軽いシューズでとてもいい感じです」。橋本選手が変更の理由を教えてくれた。

 スパイクを変える選手もいれば、長く同じメーカーを使い続ける選手もいる。

 プロ18年目のシーズンに臨む東慶悟選手。10代からアディダスのスパイクを愛用し、現在は「プレデターElite」を使用している。「最近はかなり軽量化されているが、プレデターらしいフィット感やボールタッチの感覚が一番です」

 使い方にもこだわりがある。

 選手によっては試合日にウオーミングアップ、前半、後半と3足を履き替える。一方、東選手は壊れたり、新しいモデルが出たりするまで1足のスパイクを使い続けるという。「最初は硬い感じがするけど、どんどん自分の足かのようになじんでくる。だいたい、2カ月ぐらいは毎日使い続けます」

 同じアディダスで「F50+」を使用するのは仲川輝人選手。ひもがなく、一見すると奇抜にも見えるスパイクだ。「試合前、ルーティンが多いのでひもを結ぶのがめんどくさい」と笑いながらも、着用する理由を教えてくれた。

 「自分はひもがないタイプのフィット感が良い。それと、ひもがスパイクのポイントに引っかかることがあるので、それを避けることも理由の一つ」。JリーグでMVPと得点王を獲得したこともある仲川選手の考え方にプロ選手らしさを感じた。

 個人的に聞いてみたい選手がいた。FC東京の中でも、特にこだわりがありそうなスパイクを履く選手。

 それは、昨季途中に加入したショルツ選手だ。デンマーク出身のディフェンダーが使用するのは、1982年のワールドカップ(W杯)スペイン大会に向けて作られた「コパムンディアル」。

 各メーカーが競うように最新技術を取り入れた商品を発表する中で、ショルツ選手が選ぶのはカンガルー革でつくられたシンプルなスパイクだ。

 「最初、父に買ってもらってユース時代から使っています。もし、メーカーと契約するチャンスがあったら変えていたけど」と笑顔を見せた。

 ショルツ選手のこだわりは、サッカー選手としての個性だけではなく、自身の哲学を体現しているように思えた。

 「私はこの靴の履き心地が分かっているので、変える必要がありません。流行を追いかける選手もいるが、自分の考えを持つことも大切。他と同じになる必要はない。だから、これこそ私のファッションスタイルだね」

 夏にはW杯北中米3カ国大会が行われる。世界最高峰の舞台では、各メーカーも素晴らしいスパイクを投入してくると予想される。選手が、どのスパイクを履いているのか。そこには、どんな理由があるのか。考えながらサッカーを見るのも面白い。【藤井達也】

毎日新聞

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