カイロス打ち上げ、再度お預け 見学者1400人落胆、車中泊者も
宇宙への夢はまたも持ち越し――。和歌山県串本町の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」で1日に予定されていた小型ロケット「カイロス」3号機の打ち上げは再び延期された。成功を待ちわびる人々からはため息も漏れたが、次回への期待の声が相次いだ。
串本町の田原海水浴場と那智勝浦町の旧浦神小学校に設けられた見学場には計約1400人が詰めかけ、「その時」を待った。田原海水浴場では予定時刻だった午前11時の直前に延期が発表され、「えー、また」「楽しみにしてきたのに」などと嘆く声が広がった。
京都市から訪れた会社員、日下明さん(48)の一家はホテルが取れず、近くで車中泊をして駆けつけた。会場で帽子やロケット型バルーンを購入して備えた小学5年の晴太朗さん(11)は「雲も無かったので、今日こそ飛ぶと思っていた」とうなだれた。大阪府泉佐野市から家族と来ていた小学2年の山野敢太郎さん(8)もその場でふて寝。父の範雄さん(45)は「今日が誕生日で宿題を早めに片付けて楽しみにしていたので、ショックを受けたのだろう。次は飛んでほしい」と気持ちを代弁していた。
県立串本古座高校の宇宙探究コースで学ぶ生徒は、自分たちで開発した応援グッズを見学場で販売しながら成功を祈っていた。2年の西本湊さん(17)は「休日で観光客の方にとっても絶好の機会だったが、まだ失敗した訳ではない。次のチャンスがすぐに来ると思う」と前を向いていた。田嶋勝正・串本町長は「楽しみが少し延びただけ。次こそ衛星の軌道投入まで期待したい」と気を取り直していた。
一方、スペースワンの阿部耕三執行役員は串本町のホテルで記者会見を開き、「地元の方々には多大なる応援をいただいており、2月25日に続いての延期には我々も忸怩(じくじ)たる思い。楽しみにしていただいた方々の思いは重々承知しており、より一層精進していかなければならないと考えている」と話した。【加藤敦久、大澤孝二、藤木俊治】
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