衆院選デマ、9割の人が「事実」と誤認 打ち消し報道が浸透せず
衆院選期間中に偽情報や誤情報を見た人の9割が事実だと誤認していたことが、東洋大の調査で判明した。調査した専門家は「投開票までの期間が短かったため、メディアが偽・誤情報をファクトチェックして打ち消しても、十分に浸透しなかった可能性がある」と分析している。
小笠原盛浩教授(社会情報学)の研究チームが、衆院選投開票日の2月8日から3日間、国内の18~79歳の男女1800人を対象にインターネットでアンケートを実施。メディアのファクトチェックで「誤り」「根拠不明」と判定された「マンション価格高騰は外国人が投機目的で購入」など偽・誤情報5件について、選挙期間中に接触したかどうかや、何が情報源だったか、事実と誤認したかどうかなどを尋ねた。
有効回答1793人のうち、1件以上を見聞きした人は半数強の921人に上り、このうち89・4%にあたる823人が事実と誤認していた。5件のうち接触率が最高の44・4%だったのは「マンション高騰」で、89・6%が事実と誤認していた。
ほかの4件は「こども家庭庁を廃止すれば減税分の財源をまかなえる」(接触率15・6%、誤認識率72・8%)、「中道改革連合の街頭演説に集まった聴衆の動画はAI(人工知能)で作成」(接触率11・8%、誤認識率67・0%)――など。「マンション高騰」が際立ったのは、与野党が外国人の不動産取得規制を公約に掲げていたことなどが影響したとみられる。
情報源は、テレビ32・7%▽ニュースサイト・アプリ22・7%▽政党・候補者以外のSNS20・0%――の順で、動画共有サイトは6・2%だった。25年の参院選後にチームが実施した調査の結果と、ほぼ同じ傾向だった。テレビやニュースサイトが情報源として多かったのは、打ち消す報道を見た人が、逆に印象の強い偽・誤情報の方を事実として記憶した可能性がある。
小笠原教授は「現在の環境では真偽不明な情報の流通量が非常に多く、選挙期間中はその傾向が強まる。拡散した偽・誤情報を打ち消す報道が、より早く、誤解されずに浸透するよう、メディアは選挙時のファクトチェックを一層迅速に行うとともに、伝え方をさらに工夫してほしい」と話している。【斎藤良太】
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