患者が退院後に急死 遺族と市が和解へ 和歌山・海南医療センター

2026/03/04 17:45 

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 和歌山県海南市は3日、市営の海南医療センター(同市日方)で患者が退院後に急変し死亡した事案があったとして、遺族に700万円の損害賠償を支払って和解する方針を明らかにした。開会中の市議会2月定例会に関連議案を提出した。

 海南医療センターや訴状によると、亡くなったのは悪性リンパ腫で入院していた市外在住の高齢患者。投薬による化学療法で経過が良好だったため、2021年12月に退院。外来で診察を続けていたが、22年3月に体調が急変し同4月に死亡した。死因はB型急性肝不全だった。

 悪性リンパ腫の治療薬にはB型肝炎の発症リスクが高いものがあり、定期的な抗原検査の実施が治療のガイドラインで望ましいとされている。一方、同センターでは入退院を繰り返していた当該患者の治療後半から、実施が漏れていた。遺族は同センターが検査義務を怠った不注意が死亡につながったとして、病院側に損害賠償を求めていた。

 市は死亡との因果関係や賠償額の算定について争っていたが、1月中旬に和歌山地裁から和解勧告があった。市議会で関連議案が可決されれば、地裁での和解手続きにうつる見通し。海南医療センターは「過失があったことは事実。今回の事例を周知して改めて注意喚起を行い、再発防止に努める」としている。【安西李姫】

毎日新聞

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