水不足、習字の授業は硬筆に… 愛知・宇連ダムの貯水率ゼロに

2026/03/16 17:14 

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 水資源機構は16日、愛知県の東三河地方などに水を供給する豊川用水の主な水源である宇連(うれ)ダム(新城市)の貯水率が17日に0%となる見通しを示した。通常は使わない「底水」と呼ばれるダムの最低水位以下の貯留水の活用に踏み切るという。市民生活や農業などに与える影響への懸念が一層強まっている。【永海俊】

 機構によると、16日午前0時時点で宇連ダムの貯水率は0・3%、大島ダムは10・9%で、水源全体の貯水率は7・8%。まとまった雨が降らなければ、宇連ダムの底水も10日間ほどでなくなる。底水を使うのは豊川用水では初となる。

 この日開かれた豊川用水節水対策協議会では、17日からの節水率を農業・工業用水で45%、水道用水で25%に引き上げることも決まった。

 これを受け、東三河5市の市長は「夜間(午後11時~午前5時)は水道を使わないよう、自粛をお願いします」との合同緊急メッセージを出した。小まめに蛇口を開閉したり、風呂の水を再利用したりするなどの協力も引き続き求める。

 水不足の出口が見えない中、自治体などは対策に追われる。

 蒲郡市は隣の西三河地方の岡崎市に対し、2月上旬から使用を休止している老人センターの入浴施設利用者の救済を依頼。岡崎市は16日、当面の措置として、入浴施設のある市内の高齢者施設で受け入れることを発表した。毎月第2、第4木曜日に蒲郡市がバスで20人程度を送迎するという。

 田原市教育委員会によると、市内の小学校では節水のため、習字の授業を「硬筆」に切り替えたり、インフルエンザ予防のうがいや歯磨きも「コップ1杯」にとどめるよう呼び掛けたりしている。中学校も含め、給食では皿の枚数を減らして洗い物を少なくする工夫もされているという。

 東三河の農業は全国でもトップクラスの生産量を誇る。農家が心配しているのは4月中旬にも始まる田植えへの影響。愛知県によると、農業用水は今後、区域ごとに時間と順番を決めて水を供給する「番水」の実施を検討している。

毎日新聞

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