「見て見ぬふりの先生は加害者」 佐賀・鳥栖いじめで被害者会見
佐賀県鳥栖市の佐藤和威(かずい)さん(26)が市立中1年だった2012年に受けていたいじめ被害を、市教委の第三者委員会が認めたのを受け、鳥栖市内で記者会見した佐藤さんは26日、「見て見ぬふりをする先生は加害者の一人のように見えた」と当時の心境を振り返った。
佐藤さんが会見の冒頭で語ったコメントの全文は次の通り。【成松秋穂】
◇ ◇
今回、第三者委員会の報告を受けて、当時の中学校の先生方や教育委員会の方々が、僕の話や家族の話、そして僕自身の思いっていうのを信用してくれていなかったっていうのが分かりました。
当時、あれほど、先生方に僕がされたことだったり、僕の状況について必死に話したんですけど、どうして今も疑われたままでいるのかっていうのが苦しくてなりません。
13年前、これからというものを疑わなかった春の今に戻った時に、僕はどうしたらよかったのだろうと、いまだにずっと自分に問い続けています。いろんな方にも問い続けてきました。
今回、第三者委員会の方々にも同じように問うた時に、どの委員の方からも答えというものはなく、静かに首を振られるだけで「自分を責めないでください。問題があるのは学校です」というふうにおっしゃられました。
当時は、連日、感覚がなくなるぐらいの暴力を受け、脅迫される日々でした。先生にチクったらどうなるか分かっているよなって、家族がどうなってもいいのかっていうふうに常に言われてました。
学内外問わず、授業中も絶えず行われる暴行というものを目の当たりにしながらも、先生には僕が見えていなかったのか、助けてくれるっていうことはありませんでした。
僕はどうしても先生に助けを求めることが当時できませんでした。
それでも力を振り絞って先生に助けを求めに行くべきだったのか、いまだに僕はずっと考えています。
いじめが発覚してから、僕は学校に全く行かなくなりました。
発覚してすぐ、先生は「謝罪」という形で連日、加害者を僕の自宅に連れてこられました。僕にとってはそのことが恐怖でしかなかった。恐怖でしかありませんでした。
いじめによって僕は体調を崩し、……僕や家族の生活というものは大きく変わりました。僕に起こったことっていうのは、一体何だったんでしょうか。
僕は中学校の先生方から、僕に起こったことはどういったことで、そのことについて学校がどういうふうに考え、どう受け止めていたのかっていうのを、これまでに聞いたことが一度もありません。
事件発覚後、僕や家族は何があったのか明らかにしてほしいとずっと求め続けてきました。本当にそれだけでした。そうでないと、僕に起こったことと僕自身が向き合うことができなかったからです。
それは、どうしても自分に何が起きたのかっていうのが明らかになることが、僕にとってとても必要なことでした。
それを学校にお願いしてもダメでした。教育委員会の方にもお願いしたんですけど、やっぱりそれもしていただけませんでした。
それで、やむを得ず裁判という形で明らかにしてもらおうというふうに思いました。
しかしながら、裁判ではいじめがあったということは認められましたが、学校の対応についてというものは明らかにされませんでした。
そこで今回、こういった形で調査委員会にお願いするというふうになりました。
完全とは言えなくても、学校で何があったのかを調べて事実を明らかにしてくれていたならば、このような裁判をすることも、調査委員会にお願いをするということも必要ありませんでした。
今回の調査委員会で、学校の対応に問題があったということが明らかになったとともに、中学校の先生方への聞き取りから、先生方の考えというものが今も変わらずにいるということが分かりました。
あの時、先生に助けを求めていても、助けをもらえなかったんだっていうのが今回、はっきりと分かりました。
僕自身、当時の先生方に、じゃあ、どうしたらそれをいじめだというふうに認識してもらえたのかというのは、直接会うのは僕自身怖いですが、聞きたいと思っています。
じゃないと、このままではまた同じようなことが起きた時に、やっぱり被害者や家族は助からないのではないか、と思うととても苦しくなります。
いじめに気づいた時に、先生方がきちんと対応することができなければ、いじめを見て見ぬふりをすることになるのではないでしょうか。
僕の時もそうだったんですけど、先生がいじめを見抜けなかったり、いじめを見過ごすというのは、いじめを黙認したことになります。その結果、いじめというものはどんどんエスカレートします。
当時、見て見ぬふりの先生は僕にとって加害者の一人のように見えました。
先生方や教育委員会の方々には、問題を解決するために真摯(しんし)に取り組んでいってもらいたいと切に願ってます。そして、いじめを見抜いたり、何があったのかを調べ、被害者を守り、事の是非をしっかりと示せるよう切に願います。
僕はこれからも、僕自身に起こったことを抱えながら生活をしていかなければなりません。
今回、調査委員会を通して、学校側の対応という面でも多くの問題が指摘されました。その問題について、僕は僕なりに考えていきたいと思っています。
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