羽田衝突 避難誘導のJAL拡声器、性能「不十分」 運輸安全委

2026/04/17 18:58 

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 東京・羽田空港で2024年1月に日本航空(JAL)と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、原因を調べる国の運輸安全委員会が17日、JAL機内で乗客の避難誘導などに用いられた拡声器の性能について、声の伝わる範囲が「不十分だった」とする検証結果を発表した。これを踏まえ国土交通省は、航空各社などに改善を文書で要請した。

 事故時にJAL機内では機内アナウンスシステムが機能せず、乗務員が拡声器を使って脱出指示の伝達を行った。左右計8カ所の出口付近に配置された乗務員が、前方の出口から後方の出口へと拡声器による伝言方式で指示を伝えたものの、拡声器の効果を感じられずに使用をやめた乗務員もいたとされる。

 運輸安全委は事故機と同型の機体を用い、エンジン音や乗客の声など事故時の騒音を再現したうえで拡声器の声がどう伝わるかを検証した。その結果、前方の出口間では指示が伝わる一方、後方になるにつれて聞き取りが「困難」または「不可能」になる状況が判明。原因の特定には至らなかったという。

 国交省は同日、航空各社に対し、従来より高性能の拡声器を搭載したり、機内放送の不具合に備えた避難誘導訓練を強化したりするよう要請し、併せて航空機メーカーに、高性能な拡声器の搭載を可能にするための措置の検討を求めた。

 事故は24年1月2日夕、離陸のためC滑走路に進入した海保機に、着陸してきたJAL機が衝突。JAL機の乗員乗客は全員脱出したが5人が重軽傷を負い、海保機では機長を除く乗員5人が死亡した。【木村敦彦】

毎日新聞

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