東大、先住民族遺骨巡りハワイで謝罪 市民団体「琉球にも」要請

2026/04/24 15:27 

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 東京大が収集・保管していたハワイ先住民族の遺骨返還を巡って、2人の副学長らが3月末に現地で謝罪したという「訪問報告」を21日にホームページ(HP)で掲載した。沖縄由来の遺骨返還を求めている京都市内の大学の教授は差別的な扱いだと感じ、22日に「琉球民族にも謝罪して下さい」と題する文章を東大に送った。

 東大のHPによると、2024年11月に遺骨10体をハワイの団体に返還したもののコミュニケーションが不十分かつ不適切だったとの指摘を受け、25年8月設置の「東京大遺骨返還等タスクフォース」のメンバーである林香里理事・副学長、矢口祐人副学長、吉原真里教授がハワイを訪問。ハワイ先住民族の遺骨返還に携わってきた団体代表の弁護士と3月30日に面会した。返還に至るまでの課題について指摘を受け、返還プロセスにおける対応が不適切だったことを謝罪。同31日には返還された遺骨が埋葬されているオアフ島での式典でもおわびの言葉を述べたとしている。

 またハワイの博物館や大学も訪問して専門家と意見交換し、国際的に普及しつつある倫理的返還や共同管理の考え方と実践について理解を深めた。これらの経験を踏まえ、東大は今後も先住民族の文化と歴史への理解を深め、遺骨返還に関する取り組みの改善と体制強化に努めるとしている。

 この訪問報告を受けて東大に文章を送ったのは、市民団体「ニライ・カナイぬ会」の共同代表、松島泰勝・龍谷大教授。これまで沖縄県内の墓などから研究者らに収集された少なくとも31体分の遺骨を保管する東大に対して謝罪と返還を求めてきたが、何の返信もないままという。

 文章では、ハワイへの対応と比べて東大が琉球民族からの抗議の声は無視し続けていると指摘。自分たちは「謝罪どころか話す価値のない人間だ」と改めて差別された気持ちになり、「先住民族ではなく、先祖の遺骨を取り戻す権利など無いのだ」とも言われたようで改めて傷ついたと訴えている。その上で「東大はこれからも琉球民族を差別するぞと公言しているようにも感じた。我々とも話し合い、謝罪をして下さい」と結んでいる。【太田裕之】

毎日新聞

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