「AIを産業規模で窃取」米が中国非難 首脳会談前に揺さぶりか

2026/04/24 11:46 

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 トランプ米政権は23日、中国などの企業が米国の生成人工知能(AI)技術を「産業規模」で盗んでいると非難した。米中間でAIを巡る覇権争いが激化する中、制裁措置の検討も表明。5月中旬に北京で予定されている米中首脳会談を前に、中国に揺さぶりをかける狙いもあるとみられる。

 ホワイトハウスがこの日公表した文書で問題視したのは、既存の生成AIのデータを学習し、新たなモデルを生み出す「蒸留」と呼ばれる手法。既存の生成AIに投じられたような巨額の開発費用を大幅に圧縮し、短期間で一定の性能のAIサービスを提供できる可能性がある。

 米政権は「主に中国に拠点を置く組織」が数万のアカウントを駆使し、米国の最先端AIシステムを悪用していると指摘。「米国の研究開発を阻害する活動は容認できない」として、無許可で「蒸留」行為に及んだ場合、米国のAI企業と情報を共有し対抗策を講じると表明した。「責任を問う幅広い措置」を検討する考えも示した。

 米新興企業アンソロピックは2月、自社のAIモデル「クロード」が「DeepSeek(ディープシーク)」など中国企業3社に悪用され、AIモデルを改良する動きがあったと発表していた。計2万4000アカウントを通じ、1600万回以上のやり取りを生成したという。

 在米中国大使館はロイター通信の取材に、米国の非難は「根拠のない主張」として反対姿勢を表明。北京は「知的財産権の保護を極めて重視している」と述べた。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

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