海自掃海艇「うくしま」の火災 発電機配管の油漏れが原因と推定
福岡県宗像市沖で2024年11月に海上自衛隊の掃海艇「うくしま」が火災を起こし沈没した事故で、海自の事故調査委員会は24日、出火原因などに関する調査結果を公表した。エンジンルーム内の発電機の配管から漏れた油が高温の排気管に触れて火災が起きたと推定。「前例のない形で出火し、直後に電源喪失といったまれな事態が同時並行的に発生した」ことで、消火活動が不十分になったと結論付けた。
うくしまの火災は機雷戦訓練のため宮崎県沖に向けて航行中の24年11月10日午前9時45分ごろ、宗像市の離島・大島の北約2・3キロの海域で発生。約14時間後に船体が転覆し、鎮火した。約40人の乗組員が避難したが、エンジンルームにいたとみられる当直員、古賀辰徳3等海曹(当時33歳)が安否不明となり、12月25日、沈没した船体の近くで人骨が発見され、死亡確認に至った。
事故調によると、エンジン上部の発電機に使った燃料を戻す配管の結合部分から油が漏れ、排気管を覆う耐熱カバーに落下。油が高温の排気管に触れたことで出火したとみられる。さらに、エンジンルームの上に位置する発電機室の機器が煙でショートし艦内の電源を喪失したため、艦内マイクや海水ポンプが使えず、乗組員による初期消火が十分にできなかった。
消火活動を巡っては、海自が出火から約4時間後に「鎮圧」と判断したものの再び延焼した経緯がある。うくしまのような掃海艇は磁気に反応して爆発する機雷から船体を守るために木製で、事故調は、火災時に火種や熱が木の中にくすぶる可能性があるにもかかわらず「十分に確認できないまま『鎮圧』と判断した」と指摘。被害拡大の一因との見方を示した。
一方、うくしまは24年6~7月の年次検査で問題は確認されていなかったという。事故調は再発防止策として、結合部分がない配管の設置のほか、エンジンルームからの出火や電源喪失を想定した消火訓練の実施、木製の船の特性を踏まえた消火要領の検討などを挙げた。【宮城裕也】
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