子ども椅子「ストッケ」の敗訴確定 最高裁も「著作物」と認めず

2026/04/24 15:05 

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 著名デザイナーがデザインした子ども用椅子の著作権が侵害されたとして、ノルウェーの家具メーカー「ストッケ・エイエス」などが兵庫県の家具メーカーに子ども用椅子の製造・販売の差し止めと約1400万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は24日、ストッケ社側の上告を棄却した。2審に続きストッケ社の製品を著作物と認めなかった。ストッケ社側の敗訴が確定した。

 1、2審判決によると、ストッケ社の椅子は、家具デザイナーのピーター・オプスビック氏がデザインした「TRIPP TRAPP」。L字形の2本の脚の間に座る板と足を置く板を挟んだデザインで、日本では1974年ごろから販売されている。一方、兵庫のメーカー「Noz」は、同じようなL字形の脚に2枚の板を備えた椅子を2015年ごろから販売している。

 ストッケ社側は著作権を侵害されたとして21年に提訴。著作権法は文芸や美術、音楽などを保護対象とするが、デザイン性の高い実用品については定めがなく、ストッケ社の椅子が著作物として保護対象になるのかが争われた。

 1審・東京地裁判決(23年9月)は、双方の椅子は形状が異なるとしてストッケ側の請求を棄却。著作物に該当するかは判断しなかった。

 これに対し、2審・知財高裁判決(24年9月)は実用品であっても、実用的な機能を離れて美的鑑賞の対象となる部分を含む▽美的鑑賞の目的で制作されたと認められる――場合は著作物に当たるとの基準を示した。その上で、ストッケ社の椅子は基準を満たさないとして、著作物に当たらないと結論付けた。

 上告審でストッケ側は「デザイナーの個性が発揮された椅子は著作権で保護されるべきだ」と主張。Noz側は「安易に実用品に著作権を認めるべきではない」と反論していた。【安元久美子】

毎日新聞

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