工藤会トップの土地信託 取り消し求め提訴、恐喝事件の被害者も
特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)トップで総裁の野村悟被告(79)=殺人罪などで1審で死刑、2審で無期懲役、上告中=が土地を親族に信託したのは「賠償逃れ」が目的だとして、工藤会元幹部による恐喝事件の被害者が、野村被告の親族に信託取り消しや所有権移転登記の抹消を求めて福岡地裁に提訴した。4月11日付。被害者の代理人弁護士が18日、明らかにした。同種訴訟の提訴は2件目。
代理人弁護士によると、取り消しを求めているのは北九州市小倉北区紺屋町の土地2筆(計約150平方メートル)。野村被告は2020年、この2筆を含む同市内の土地少なくとも23筆(計約7000平方メートル)と自宅を親族2人に信託して所有権を移転していた。
信託法は、信託された財産は差し押さえや競売ができないとする一方、債権者を害することを知りながら信託した場合には取り消し請求ができると定めている。
被害者側は「将来の強制執行を妨害する目的でなされた正当性のない無効な信託だ」と主張している。
恐喝事件を巡っては、元幹部の実刑判決が確定した後の24年10月、被害者側が野村被告らを相手取って損害賠償請求訴訟を起こし、福岡地裁は26年4月に約1450万円の支払いを命じた。野村被告らは控訴し、賠償金は支払われていない。
一方、被害者側はこの訴訟と並行して今回の2筆を保全するため、処分禁止を求める仮処分申請をし、福岡地裁小倉支部が26年2月に処分禁止の仮処分命令を出した。
被害者側は、信託取り消しが認められれば2筆を強制競売にかけるなどして賠償金を回収するとしている。
信託取り消し訴訟を巡っては、工藤会による市民襲撃事件の被害者側が25年10月に福岡地裁に初めて提訴した。
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