震災で当初計画は白紙も…検討開始から40年 釜石市役所に新庁舎

2026/07/26 06:15 

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 東日本大震災で被災した岩手県釜石市の市役所新庁舎で25日、落成記念式典が開かれた。現庁舎は8カ所に分散するなど不便で、老朽化も懸念されたことから40年前に建て替えの検討が始まった。しかし、財政事情や新たな津波を想定した設計変更などにより、完成までに長い年月を要した。9月下旬に業務を開始する予定。

 新庁舎は現在の第1庁舎から北側に約150メートル離れた小学校跡地に建設され、鉄骨鉄筋コンクリート4階建て延べ約8000平方メートル。国が2020年に公表した新たな津波被害想定で浸水域とされたため地盤をかさ上げし、重要な書類やデータは2階より上の階に保管する。津波発生時は住民らの避難場所として使用し、3000人が収容可能という。

 一方、現庁舎の市長室がある第1庁舎は築72年が経過。他の庁舎も築50年超と老朽化が進み、第1庁舎と2キロ離れた庁舎もあった。このため1986年に新庁舎検討委員会が発足し、94年に釜石駅近くに用地を取得した。

 しかし市立病院の閉院に伴って財政出動が求められるなどするなか、2011年に東日本大震災が発生し、当初の計画は白紙になった。再検討で18年に小学校跡地への建設が決定。その後も地盤かさ上げや資材高騰で落札業者が辞退するなど着工まで5年かかった。事業費は73億3400万円と、21年の実施設計時より20億円余り高くなった。

 震災を挟んで検討開始から40年越しの新庁舎完成となり、式典後に記者会見した小野共市長は「歴代市長の思いと市民の期待が込められた大切な庁舎。市民に気軽に利用してもらうとともに、安心と安全を守る場にしていく」と語った。現庁舎は順次解体する方針だが、跡地の活用方法は未定。【奥田伸一】

毎日新聞

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