<やまゆり園事件10年>天国の美帆へ 思い出の花火とCDで「弔い」 母が迎えた命日

2026/07/26 21:14 

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 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された事件は26日、発生から10年を迎えた。犠牲になった美帆さん(当時19歳)の母親(62)には、長男(31)と毎年続ける「弔い」の形がある。美帆さんが大好きだった花火をし、事件の発生時刻にお気に入りだったCDをかけることだ。「天国の美帆が安らぎますように」と、今年も願いを込めた。

 命日を目前に控えた25日午後8時過ぎ、母親と長男は自宅の庭で手持ち花火をした。生前の美帆さんは花火が大好きで、「見て」と振り回しては2人を慌てさせた。「服は穴が開くし、髪の毛は焦げるし、全然静かな花火じゃなかった」。母親は当時を思い出し、笑みをこぼした。

 この日は夕方から続いた雷雨が、花火を手にすると突然やんだ。「美帆が今年も花火をしてねと言っているみたいだった」

 10年前に事件があった午前2時前まで、自宅のリビングで美帆さんのお気に入りだったドラマ主題歌などのCDをかけた。「美帆ちゃんにとって一番つらい時間だったと思うから、少しでも安らいでほしい」と願った。

 昼前になると、自宅に美帆さんが大好きだった「お姉さん」が訪ねてきた。小学生の時にガイドヘルパーとして外出に連れ添った女性だ。母親と思い出話に花を咲かせたが、「事件がなければ…」と口にして涙をこぼした。事件の翌月は、美帆さんが園から一時帰宅する予定があり、再会するはずだったからだ。母親は「美帆ちゃんはきっと天国から見ている。ありがとう」と笑顔で語った。

 午後、園内の慰霊碑を訪れ、ひまわりの花を手向けた。笑顔が可愛かった美帆さんのことを思い、毎年選ぶ花だ。「美帆のことを覚えてくれている人がいることがうれしい」。たくさんの花束が並ぶ献花台を前に、母親はそう語った。【神内亜実】

毎日新聞

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