江戸の伝統「尼の生醬油」 40年来のファンに惜しまれ歴史に幕

2026/07/26 10:41 

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 江戸時代の伝統製法を受け継ぐ「尼の生醬油(なましょうゆ)」の販売が、2028年6月末で終了する。製造は戦時中にいったん途絶えたものの1985年に復活。約40年にわたりファンに支えられてきたが、原材料価格の高騰などから安定した製造・販売が継続できないとの判断をしたという。

 ◇製法は「尼の生揚」

 販売する「尼の生揚(きあげ)醬油保存会」(兵庫県尼崎市)が発表した。尼崎の醬油造りは江戸後期には始まっていたとみられる。明治・大正時代に最盛期を迎え、米国やカナダなど海外にも輸出された。しかし、戦時下の原材料の調達難で43年産を最後に生産できなくなったという。

 製法は「尼の生揚」と呼ばれた。良質の大豆や小麦などを使い、着色料や保存料などの添加物は使わない。塩分も通常の醬油より控えた。雑菌が少なく腐敗の心配のない1月中旬~2月中旬の寒中に仕込み、加熱処理もしない。味わいは香ばしさとまろやかさが特徴だという。

 85年に尼崎市内の企業経営者らが伝統の製法による醬油を復活させようと保存会を設立。醸造はヒガシマル醬油(たつの市)に委託し、販売を始めた。毎年7月から当年度産を販売し、顧客は全国に広がったという。

 しかし、原材料の値上がりに加え、食生活の変化などに伴い顧客や販売数が減少したこともあり、製造は2027年度で終了し、28年6月末で販売を終えることにした。販売元には顧客から惜しむ声が寄せられているという。

 1本(750ミリリットル)720円。問い合わせは販売代理店の尼新実業(06・6417・7111)。【土居和弘】

毎日新聞

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