「復旧まで半年から1年」も 続く断水、衛生面や熱中症に懸念

2026/07/31 17:28 

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 熊本地震の影響で生活に欠かせないライフラインは途絶えており、被災者の苦しい生活が続いている。

 ◇水道管の破損状況、把握できず

 熊本地震から丸3日が過ぎても、被災地では8万戸近くで断水が続いている。猛暑の中、被災者らは飲み水や農業用水を求めるとともに、衛生面への不安を抱えている。

 最大震度7の揺れが襲った熊本県氷川町。31日午前の段階で町内全域の3200戸が断水したままだ。「復旧までに半年から1年かかる可能性がある」。町の水道を管理する八代生活環境事務組合の担当者はこう説明する。

 組合によると、氷川ダムの水を浄水場に送る全長約6キロの導水管が、地震によって浄水場手前で破断した。浄水場に水を送れなくなっており、組合では迂回(うかい)ルートを探している。浄水場への注水が再開しても、各家庭に続く水道管の破損状況は実際に水を通してみないと分からないという。

 ◇SNSで支援訴え

 「水がありません」。88人が利用する氷川町早尾の特別養護老人ホーム「早尾園」では地震後、施設長自ら動画をインスタグラムに投稿し、支援を訴えた。

 施設には飲料水や生活用水をためる25トンのタンクがあり、地震当時の貯蔵量は6割ほど。ぬれたタオルで体を拭いたり、トイレの利用を制限したりしていた。

 投稿を見たボランティアによる支援のほか、給水車が到着したことにより、31日朝から水仕事ができるようになった。ただ、2~3日に1回の給水が必要で、いつ不足してもおかしくない状態だ。

 副施設長の潮崎伸子さん(63)は「給水車が来てくれて一安心。利用者の衛生環境も確保できたが、水道が復旧するまで気の抜けない状況が続く」と話す。

 ◇再開見通し立たず

 「給水はここですか」。熊本県八代市の「鏡コミュニティセンター」に設けられた給水所では30日午後、近くの住民らがひっきりなしに訪れていた。

 震度6強を観測した八代市の断水は2万5300戸(31日午前)。農業の早崎佳代子さん(66)は猛暑が続く中、買い置いていたお茶のペットボトルなどで渇きをしのいできた。給水所で水を受け取り、「ありがたいです」と感謝を口にした。

 地震の後は風呂も使えずウエットティッシュで体を拭いて我慢している。熱中症を心配する息子の勧めで、家にあった経口補水液も口にしながら、自由に水を使える水道の再開を望む。「ご近所と励まし合って頑張っている」と語った。

 断水は、市内の水道管の多くが破損したことなどが原因とみられる。修繕には道路の陥没なども相まって困難が伴い、市水道局の担当者は「再開の見通しは示せない」。31日には八代港で船舶による給水が始まった。

 ◇農作物への影響も

 熊本県宇城市では31日午前時点で、1万7800戸で供給が止まっている。市によると、各家庭に送水する水道管での水漏れを調べており、復旧のめどは立っていない。

 市内の小川町で暮らすネパール国籍の会社員、ブッダ・マガル・サパナさん(35)は妊娠7カ月を迎えている。自宅はライフラインが使えないまま。サパナさんは「避難所のトイレは水が流れづらく不衛生で、妊婦には大変。薬を飲むために食事したいが、料理もできない」と話す。

 断水は農作物への水やりにも影響する。同じ小川町に住む農家の男性(60)は8月にトマトを植えるため、苗を育てている最中に被災した。「水がないと作業が滞り、汚染の可能性がある川の水も使いにくく、困っている」と話した。【北村秀徳、中村敦茂、菅野蘭、川畑岳志】

毎日新聞

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