<皇室スケッチ>変わる皇居観光の玄関口 目玉は屋上デッキ設ける「大手休憩所」
皇居観光の玄関口が、これまでにない変化を遂げようとしている。
目玉となるのは、新設の「大手休憩所」。皇居初となるカフェは「特別感」を演出し、屋上デッキからの眺めはひと味違うという。
国内観光の拠点としての役割も担う休憩所。関係者の期待が高まっている。
◇11月開業に向け、大詰めの作業
皇居の東側、地下鉄各線の大手町駅に近い「大手門」。9月下旬、工事用の白い壁が取り払われると、休憩所の外観が現れた。11月3日に迫るオープンに向けた作業は大詰めとなっている。
「くつろぐだけでなく、観光拠点として情報発信を担っていきます」。宮内庁管理課長の伊藤良治さんはその特徴をアピールする。
延べ床面積2800平方メートル、木造平屋建ての一角にはカフェが入る。コーヒー専門店を展開する「猿田彦珈琲」が運営する。
皇居でしか味わえないオリジナルのコーヒーや食事を提供する。具体的な内装は明かされていないが、皇居の景観を損なわず、周辺と調和した色彩にするという。
休憩所には屋上デッキも設けられる。これまで地上から見上げていた皇居内の石垣ややぐらは、高い場所から見物できるようになる。
◇地方への誘客機能果たす
建設が進む東御苑は、四季折々の豊かな自然を楽しめる場所だ。一般に無料開放されており、人気のスポットとなっている。
2025年の入園者は213万人で、過去最多の19年(223万人)に迫った。とりわけ、外国人の来園者は10年前から倍増している。その割合は全体の6割近くに達し、日本人を上回っている。
こうしたインバウンド需要を見込み、休憩所は国内観光の玄関口としての役割が期待されている。
英語表記は「インペリアル・パレス・ビジター・センター」。日本語で「観光案内施設」の意味合いがある。
施設内では、日本各地の映像が大型ビジョンで映し出される。草原が広がる熊本県の阿蘇地域、厳島神社のある宮島(広島県)などが紹介されるという。
流れる映像にはQRコードを表示。これをスマートフォンで読み込むと、観光地への行き方を指南するシステムになっており、地方への誘客を促す工夫もちりばめている。
◇「皇室の理解も深まれば」
もちろん、皇室の活動紹介も欠かせない。外国や地方を訪問する天皇、皇后両陛下らの動画を流すほか、皇室での稲作や雅楽はタッチパネルで閲覧できる。歴代の天皇をたどれる展示もあるという。
併設される売店では、皇室から連想されるデザインを取り入れた民芸品など、ここでしか手に入らない記念品を新たに販売するという。詳しい商品はオープン時に明かされる。
伊藤さんは「カフェで買った飲み物を手にしながら、日本の歴史や自然を新たに発見し、皇室への理解も深まれば」と期待を込める。
「日本の魅力を網羅的に伝える施設が乏しかった」。皇居内に休憩所を整備する背景について、観光庁の担当者はこう説明する。
皇居そばの東京駅は言わずと知れたターミナル。日本各地に観光客を運ぶ拠点となっているが、駅周辺での観光関連情報の発信には物足りなさがあったという。
◇民間企業の事業運営は異例
休憩所の整備には観光庁も協力。費用は約75億円に上り、「出国税」が財源となっている。日本を出国する際、国籍を問わずに3000円徴収される税だ。観光基盤の拡充や強化に向けた事業に充てられ、休憩所にも生かされることになった。
新設に当たり、宮内庁は民間のノウハウを活用した。事業者側が運営に向けたアイデアを提案する「公募型プロポーザル方式」を採用し、複数の企業が応募した。
この結果、カフェ運営については猿田彦を選定。休憩所全体は「JTBコミュニケーションデザイン」と「丹青社」の共同企業体が選ばれた。両社はそれぞれイベント運営や空間作りを得意としている。
皇居の公開エリアで、民間企業が事業を運営するのは極めて異例だという。
◇皇居三の丸尚蔵館もリニューアル
「相乗効果」が期待されるのは、皇居三の丸尚蔵館のリニューアルオープンだ。7年に及ぶ工事が終わりを迎え、休憩所と同じ11月3日から営業を始める。
三の丸尚蔵館は、皇室で代々受け継がれてきた絵画や工芸品、書道作品などを保存・公開するため、1993年にオープンした。今は独立行政法人が運営しており、工事によって展示室は従来の8倍に広がる。
三の丸尚蔵館にはゆっくりくつろげるスペースがなかったことから、リニューアルに合わせて休憩所が整備された形だ。
宮内庁の黒田武一郎長官は定例記者会見で、休憩所について「来園者のアメニティー(快適さ)向上、皇室や伝統文化の情報提供の強化を目的として整備してきた」と強調。三の丸尚蔵館との連携を進める考えを示し、「効果的な運用を図っていきたい」と述べている。【柿崎誠】
-
都構想、特別区設置の初期費用624億円と試算 前回の2.6倍
「大阪都構想」で大阪市を廃止して特別区に移行する際の初期費用(イニシャルコスト)について、大阪府・市が624億円と試算していることが関係者への取材で判明した。…社 会 14時間前 毎日新聞
-
逆転有罪判決「分かってくれる人が…」 猪苗代湖ボート事故遺族
福島県会津若松市の猪苗代湖で2020年に起きたプレジャーボート事故で亡くなった豊田瑛大(えいた)さん(当時8歳)の両親は、逆転有罪判決を最高裁の傍聴席で聞いた…社 会 15時間前 毎日新聞
-
広島・呉の中1死亡、第三者委がいじめ認定 学校の問題点を指摘
広島県呉市のJR呉駅構内で2022年6月、市立中学1年の生徒が電車にはねられて死亡した事案があり、呉市教育委員会から調査を依頼された第三者による調査委員会は1…社 会 15時間前 毎日新聞
-
「もう一度会いたい」王将社長射殺で無罪判決 遺族の無念晴れず
「とにかく、もう一度会いたい」。突如として凶行に倒れた大東隆行さんの遺族は、消えない悲しみを抱えながら事件発生から13年の月日を過ごしてきた。 2025年1…社 会 16時間前 毎日新聞
-
「将来一緒に…」 風俗勤務求めた疑い、歌舞伎町の元ホスト逮捕
勤務先のホストクラブで金を使わせるため女性客に性風俗店で働くよう求めたとして、警視庁保安課は16日、東京・歌舞伎町のホストクラブ「AXEL by ACQUA」…社 会 16時間前 毎日新聞













