日本高野連、「投球数制限」ルール化へ 1人1週間で500球以内

2025/01/24 05:00 

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 日本高校野球連盟は23日、大阪市内で理事会を開き、1人の投手が1週間に投げられる球数を500球以内に制限する「投球数制限」について、2024年までの試行期間を終了し、25年から正式にルール化することを決めた。

 医師らで構成するワーキンググループ(WG)が検証結果をまとめた。投球数制限が肩や肘の痛みの発生を抑制している一定の効果を指摘し、「合理性を欠くものでなく、継続すべきルール」と結論付けた。

 WGは、投球数制限を導入する前の約20年分の甲子園大会の検診データ(準々決勝と準決勝後)と、導入した後の22年夏から24年春の4大会の検診データ(全試合)を検証した。制限導入後に肩や肘の痛みが出る確率は導入前より低下する傾向となったという。

 さらに、投球数が400球を超えると、肩肘の痛みの発生が増える傾向も確認した。大会前に痛みがあった投手は再発するリスクがあり、春の選抜大会に比べて夏の選手権大会の方が痛みが出る確率が高いことも分かったという。

 WG座長の正富隆・日本高野連医科学委員長は「(投球数制限は)一つの目安ではあるが、早い段階で痛みが発生する選手がいることを理解してほしい」と話した。

 投球数制限は、投手の障害予防を目的に20年に試験導入。高校野球特別規則では「付記」としていたが、正式な規則として改定した。【長宗拓弥】

 ◇斎藤佑樹さん

 2006年の夏の甲子園で優勝した早稲田実(東京)のエースで、決勝の再試合を含めて948球を投じた斎藤佑樹さんが、投球数制限について日本高野連を通じて発表したコメントは以下の通り。

 WGの解析結果を聞き、まずは1週間500球という投球数制限の理解を深めることができ、納得感も得られました。自分自身の高校時代の経験も踏まえ、今後の障害予防の更なる普及には、選手ごとに体の柔軟性や疲労度が異なるなかでパーソナライズ(個性化)された取り組みも必要だと感じました。投球数の制限だけではけがを完全に防止することはできません。別のルール改正なども検討していただき、高校年代の障害予防への取り組みがもっと広がることで、小中学生のけがの予防にもいい影響を与えることを切に願っています。

毎日新聞

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