杉山愛さん「悔いなく大舞台で力を」 センバツ21世紀枠特別選考委員

2025/01/24 18:32 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 第97回選抜高校野球大会の出場32校を決める選考委員会が24日に行われ、21世紀枠は壱岐(長崎)と横浜清陵(神奈川)の2校が選ばれた。

 全国9地区から東西を区分せずに2校を選出。特別選考委員による順位づけの評価表でポイントの高かった壱岐をまず選んだ。残り1校は壱岐を除いて、高い評価を得た5校を中心に議論し、横浜清陵を選出した。

 壱岐は玄界灘に浮かぶ壱岐島に位置している。島内で他校との練習試合ができず、遠征の際はフェリーを使うなど移動の負担が大きい。その中で、地域住民から提供された丸太を持って走るなど島内の「財産」を活用し、創意工夫をしながら強化してきた。全選手が地元出身で、昨秋の九州大会に初出場で1勝を挙げて8強入り。「100年に1度の奇跡」と呼ばれ、島民の希望となった。

 横浜清陵は昨秋の神奈川大会で公立校唯一の8強入り。マネジャーを含めた部員主体の「自治」に重きを置く。打撃などの部門ごとにリーダーを決め、選手による「自治会議」で練習の目的を話し合ってチーム作りを進めてきた。強豪ひしめく地域でも、意識を変えて取り組むことで勝ち進めるというロールモデル(規範)になるのではないかと評価された。

 今回新たに特別選考委員に加わった、テニス女子日本代表監督の杉山愛さんは「高校野球の抱える問題は日本の問題でもあると改めて感じた。スポーツ選手にとって、普段やってきたことが(本番で)出せないことほど悔しいことはない。悔いなく大舞台で力を出し切ってきてほしい」と話した。

 初めて委員を務めた、作家で高校野球を題材にした著作もある須賀しのぶさんは「どのように野球に取り組んできたかを全国にアピールする場だと思う。自分たちの野球をプレッシャーに負けずにやっていっていただければ」とメッセージを贈った。【生野貴紀】

毎日新聞

スポーツ

スポーツ一覧>