「ジャイアントキリング」滋賀短大付 堅守で春夏通じ初の甲子園

2025/01/24 19:36 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 3月18日に開幕する第97回選抜高校野球大会の出場校が24日、決まった。各地では、甲子園切符をつかんだ選手たちの喜びが広がった。

 初めて出場した昨秋の近畿大会で全国制覇経験のある強豪の履正社(大阪)を破り、「まさにジャイアントキリング」と高校野球ファンを驚かせた滋賀短大付にも、春夏通じて初めての甲子園切符が届いた。「よっしゃー」と雄たけびをあげて喜んだ選手たちは「もっとレベルアップして滋賀短旋風を起こすぞ」と決意を新たにした。

 大津市内の住宅地にある学校はグラウンドが狭く硬球を使えないため、普段の練習は少年野球も使う地元自治会管理の共用グラウンドや、近隣の県立高校のグラウンドを借りる。守備を重視した野球を特徴とし、球際の強さを身に付けるアメリカンノックや、試合での判断力を磨くケースノックで堅守を備えた。スポーツ栄養学や運動生理学を学ぶ「普通科スポーツ健康コース」に属する部員も多く、自ら効率的なトレーニング方法も考える。2009年の創部からチームを率いる保木(ほうき)淳監督(39)は「中学は補欠だった選手も多く、体も大きくない。それでもチーム全体で同じ方向を見て、練習や戦略を工夫すれば甲子園に行けると証明できた」と目を細めた。

 聖地で再びの「ジャイアントキリング」がなるか期待も高まるが、履正社戦で1失点完投したエースの桜本拓夢投手(2年)は「ピンチでもコースを突く投球をブレずに続け、チームを勝利に導く」と気を引き締めた。【礒野健一】

毎日新聞

スポーツ

スポーツ一覧>