◇卓球　全日本選手権女子シングルス決勝（２６日・東京体育館）

　◇○早田ひな（日本生命）４―０張本美和（木下グループ）●

　手負いのエースが強さを見せた。早田ひなが伸び盛りの１６歳、張本美和の挑戦を退け、３連覇を成し遂げた。

　昨夏のパリ・オリンピックで左腕を痛め、本格的に実戦に復帰したのは約１カ月前だ。今も痛みは完全には消えておらず、決勝後も「昨日できたことが今日はできなくて。毎日感覚が変わってしまう」と難しさを口にした。

　持ち味の強烈なフォアドライブも威力が落ちていたが、だからこそ「強さよりも、うまさで勝たないといけない。頭がついていかなかったら負け」。百戦錬磨の経験を生かし、戦術面でカバーした。

　パリ五輪の後には、長年指導を受けた石田大輔コーチの元を離れた。「大輔先生が基礎を教えてくれたパリ五輪までが『シーズン１』で、ここからが『シーズン２』の始まり。先生から離れたことで、いろいろな人と直接向き合う時間も増えた。自分で（判断して）良いものを取り入れて強くなっていきたい」

　３連覇の快挙も、早田にとっては進化への序章だ。【玉井滉大】