社会人1年目の小林香菜、驚異の粘り 大阪国際女子マラソン2位
◇陸上 大阪国際女子マラソン(26日、ヤンマースタジアム長居発着)
◇小林香菜=2時間21分19秒(2位)
競歩を思わせる極端なピッチ走法の23歳が、オリンピアンの背後に一歩、また一歩と近づいていく。にわかには信じがたい逆転劇が繰り広げられた。社会人1年目の小林香菜が驚異の粘りを見せ、日本勢トップの2位。早大時代はマラソンサークルで活動した異色のランナーが、強烈なインパクトを残した。
15キロ付近の給水でペースメーカーと接触して一時減速し、中間点を過ぎて先頭集団から脱落。「足がきつくて、『もうしんどいな』の一心だったけど、自分のペースで走っていたら前が見えた」という。
35キロ過ぎから猛追し、残り800メートルでパリ・オリンピック6位入賞の鈴木優花をかわした。自己ベストを3分半以上更新し、フィニッシュ後は「ちょっと実感がなくて、訳が分からない」とうれし涙を流したが、残した記録は確かだ。
早大時代はマラソンを自由に楽しむため、競走部ではなく「早稲田大学ホノルルマラソン完走会」に所属。市民マラソンなどで実績を積み、自ら売り込んで実業団の大塚製薬に加入した。当初はスピード練習についていけず、河野匡監督は「最初は『本当にそれが全力?』と聞いたほどだったが、とにかくよく練習する。こちらの想像を超えてくるので、常に目標を上方修正してきた」と成長に目を細める。
型破りな快走で世界選手権の参加標準記録も突破した。「(競技力の)成長に精神面の成長が追いついていないので、もっと気持ちも強くなりたい」。地に足を着けて世界に近づく。【皆川真仁】
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