「父ちゃん頑張る」特別支援学級教諭、大阪マラソン完走で伝えた感謝
大阪市で24日に開催された大阪マラソン(大阪府、大阪市、大阪陸上競技協会主催、毎日新聞社など共催)で、約3万人が出走した。それぞれのランナーが目標や思いを抱きながら42・195キロを駆け抜けた。
大阪市の中学校の特別支援学級教諭、杉本広隆さん(43)もその一人。元自衛官で13年かけ教員採用試験に合格。普段から支えてもらっている妻(47)や長男(15)に感謝の気持ちを持って完走したい――。
走るのは得意だった。小学生のころはマラソンで常に上位。中学の陸上部では長距離専門だったが、部活で本格的に取り組んだのはその3年間だけだった。
大学では教師を目指し、教員免許を取得したが、教壇に立つには経験が足りないと思った。「未熟でまだまだ心が弱い」。全く分野の異なる陸上自衛隊に入隊した。
訓練は厳しかった。長距離走の能力を買われ持続走訓練隊に入るも、自分のことを「不器用」と語る。制限時間内に機械の解体や結合に取り組む練習では最下位。それでも同期は見捨てず、残って練習に付き合ってくれた。
「支えてもらった人生。今度は自分も支える側になりたい」。約3年務めた自衛隊を辞め、非常勤講師などで教壇に立った。
年に1度の教員採用試験を受け続けたが、届くのはいつも「不合格」の通知。そんな時に支えてくれたのが妻や長男だった。
長男は重度の知的障害があり、会話は難しい。ただ、散歩が大好きで杉本さんの手を引っ張って4~5キロを歩くと、とても良い顔になる。陸上部の指導などで家族との時間がとれない中、息子と歩く時間はほっとした。
なんとか家族のためにも合格したい。やっと13回目にして念願がかなった。「ほとんど息子のことを任せてしまった妻にも感謝しかない」
今回、大阪マラソンへの出場は4回目だが、9年ぶり。自身が懸命な姿を見せることで、家族に感謝の気持ちを示そうとした。テーマは「父ちゃん頑張る大作戦」だ。
走っている最中は時折、顔をゆがませながらも、最後は両手の握り拳を強く上げフィニッシュした。タイムは目標の3時間半を切った。
家族は大会を見に来られなかったが、杉本さんは「苦しいところで沿道の子どもたちの声援を聞くと、息子の顔が浮かび、なんとか完走できた」と話す。
「妻と息子に『ありがとう』と伝えたい」
42・195キロを走り切って完走記念メダルを見つめる「父ちゃん」は、ほほえんでいた。【大坪菜々美】
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