「どう考えても早い」前世界王者戦 那須川天心「世間との戦い」制す

2025/02/24 20:18 

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 ◇ボクシング119ポンド(約53・9キロ)契約ノンタイトル10回戦(24日、東京・有明アリーナ)

 ◇○那須川天心(帝拳)―ジェーソン・モロニー(オーストラリア)●

 キックボクシングから転向6戦目。キャリア序盤の山場を制し、那須川天心が世界タイトル挑戦への距離をぐっと縮めた。

 キック時代からメディア露出が多く、プロボクシングデビュー当初から世界王者をしのぐ知名度を誇る。半面、ボクサーとしての実力に懐疑的な声もあり、「世間とも勝負してきた」と常々口にしている。

 対するモロニーは、那須川が主戦場とするバンタム級の世界ボクシング機構(WBO)前王者。2024年5月に武居由樹に敗れて王座を手放しており、「日本でまたチャンスをもらった」と期するものがあった。

 一筋縄ではいかない相手との対戦。24年10月にWBO地域王座を獲得したとはいえ、那須川自身も「6戦目で(元王者が)対戦してくれるのは普通じゃあり得ないこと。どう考えても早いと思っている」。恵まれた境遇と分かっているからこそ、今回の試合の意味をかみしめていた。

 キックで42戦無敗の「神童」は、プロボクシングで前戦まで5戦全勝ながら2KOにとどまり、やや消化不良の感があった。「パンチ力がない」という評判を覆すためにも、実力者相手の一戦は内容も問われていた。

 「僕が(世界で)どこまで通用するか、みんなが分かるライン」と位置づけた試合で、勝ち名乗りを受けた。確かな自信を手にし、バンタム級のトップ戦線に乗り込む。【岩壁峻】

毎日新聞

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