東海大札幌の主軸の双子 次こそは二人で日本一を センバツ
10年前の「準優勝超え」を目標に掲げていた東海大札幌の打線の主軸は、双子が支えていた。「二人で一人みたい」――。遠藤愛義(なるよし)監督がそう評する兄・太田勝心(まさむね)選手(3年)と弟・勝馬(しょうま)選手(同)は、常に一緒に切磋琢磨(せっさたくま)してきた。25日にあったセンバツの2回戦も、二人はそろって出場した。
野球を始めたのは小学2年の時。中学1年まではバッテリーを組み、兄が投手で弟が捕手。母の由美子さん(56)は「ちょっとしたことで言い合いをすることはあるが、小さい頃から仲が良かった」と振り返る。
共に長距離打者で、中学に入ると、勝心選手は広角に打ち分けるバットコントロールを身につけた。二人とも、北海道の強豪・北海で1994年夏の甲子園8強、同年の国体優勝を経験した父勝行さん(48)に打撃の基礎を教わった。
進学先は、縦じまのユニホームに憧れて二人で東海大札幌を選択。通学も風呂に入るのも一緒という二人は、もちろん自主練習も一緒。家では毎晩、リビングで素振りをし、互いにフォームをチェックしてきた。勝馬選手は「兄弟でもあり、親友。欠かせない存在」と言う。ただ、順風満帆ではなかった。
1年秋の北海道大会。ベンチに座っていたのは兄だけで、勝馬選手はスタンドから見守った。「お兄ちゃんは(ベンチに)入っているのに」と比べられ、「すごく悔しかった」。一方、2年春からは勝心選手がけがでメンバー入りできず、二人がそろったのは秋。道大会では両選手の一打が勝利をもたらしてきた。
「二人で活躍したい」と臨んだ初の甲子園。初戦は二人で計4安打2打点と力を見せたが、2回戦の浦和実戦では勝馬選手の1安打1打点に終わった。
「チャンスで打てなかった」。試合に敗れ、そろって反省の弁があふれた。だが、これからも二人で切磋琢磨するのは変わらない。「次こそは二人で甲子園で活躍して日本一を取る」。そう誓い合った。【片野裕之】
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