パリ代表勢で唯一 3回戦敗退の角田夏実が全日本女子を選んだ理由

2025/04/20 21:54 

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 ◇柔道全日本女子選手権(20日・横浜武道館)

 ◇角田夏実(SBC湘南美容クリニック)=3回戦敗退

 5分間で決着がつかず、3回戦は旗判定にもつれ込んだ。3本の「赤」の旗が上がり、「白」のパリ・オリンピック48キロ級女王、角田夏実は肩を落とした。

 体重無差別で争われる全日本に、昨夏のパリ五輪代表勢で唯一参加した。小さい選手が大きい選手を倒す「夢」のある大会に、角田は普段の階級より増量して「一番動きやすい」53キロで臨んだ。

 初戦は体重差が約40キロもある、90キロ超の相手に3―0の判定勝ち。2回戦は代名詞のともえ投げで奪った有効で優勢勝ちした。

 だが、普段とは違う重い相手との連戦に「1回戦が終わった後から疲労度が普通の試合と全然違い、海で遊び切った後の体みたいなだるさがあった」。

 3回戦の相手も4階級上の70キロ級、寺田宇多菜。果敢にともえ投げを繰り出し、関節技も狙ったが、はまらなかった。8強入りはかなわず、「なんでもう少し頑張れなかったかな。最後のともえで決めきれなかったのかなっていう感情になると思う」と悔やんだ。

 パリ五輪52キロ級代表の阿部詩らは2028年ロサンゼルス五輪を見据え、既に始動している。6月の世界選手権を回避する角田の去就に注目が集まる。

 「気持ちが毎日コロコロ変わる日々を過ごしている。ただ、この試合に向かう中で『柔道が好きなんだな』とも思った。(今後は)柔道をやりながらゆっくりと考えたい」と慎重な構えを見せた。【高橋広之】

毎日新聞

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