「これから僕が引っ張る」 不振にあえいだオリックス・紅林が満塁弾

2025/07/10 22:36 

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 ◇○オリックス4―0ソフトバンク●(10日・京セラドーム大阪)

 沈黙を破る一発が最高の形で飛び出した。不振にあえぐオリックスの7番・紅林弘太郎が球団通算9000号となる満塁本塁打で均衡を破り、Aクラス同士の対決で意地を見せた。

 不動の遊撃手は屈辱をかみ締めていた。六回1死二、三塁で、ソフトバンクは6番の頓宮裕真を申告敬遠した。「ずっと打てていなかったので(敬遠)されるだろうなとは思っていたけど、本当に悔しかった」

 6月以降は打率1割台と低迷し、この日も四回の好機で三振していた。

 好投を続けるソフトバンクの左腕・松本晴に対し、前の打席で打ち取られていたスライダーに狙いを絞った。2球目、低めにスライダーが来た。豪快にすくい上げた打球は左翼席上段へ。「人生で記憶にない」という満塁本塁打に「本当にほっとした。気持ちよすぎました」と喜んだ。

 夏場に入り、西川龍馬ら野手陣に故障者が続出している。自慢の強力打線が湿りがちな中、頑強な体で遊撃手を務め続ける紅林の復調は大きな意味を持つ。

 11日から首位の日本ハムとの3連戦を迎える。「僕だけチームのいい波に乗れていなかった。みんな(の調子が)落ちてきた今、僕がこれから盛り上げて引っ張っていきたい」。頼もしいホープの逆襲で、優勝戦線に食らいつく。【皆川真仁】

毎日新聞

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