中国軍機の異常接近に「深刻な懸念」 政府が再発防止を申し入れ

2025/07/10 22:43 

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 防衛省は10日、日本周辺の東シナ海上空で、中国軍機が航空自衛隊の情報収集機に異常接近を繰り返したと発表した。高度差はあったものの、最接近時の距離は直線で約70メートルだった。機体や搭乗員の被害はない。

 中国軍機による自衛隊機への異常接近は6月にも確認されたばかり。日本政府は同日改めて中国政府に「偶発的な衝突を誘発する可能性がある」として深刻な懸念を表明し、再発防止を厳重に申し入れた。

 防衛省によると、異常接近は9、10両日の2日連続、いずれも東シナ海上の公海上空で発生。警戒監視中の空自YS11EB情報収集機に対し、中国軍のJH7戦闘爆撃機が9日は午前10時50分ごろから約15分間、10日は午前10時ごろから約10分間、右後方から接近を繰り返した。9日は水平距離で約30メートル、垂直距離で約60メートルまで、10日は同様に約60メートルと約30メートルまで異常接近した。ミサイルのようなものを搭載していたという。

 中国軍機の異常接近は6月7、8両日にも確認されており、太平洋上空で中国海軍の空母「山東」の動向を監視していた海上自衛隊のP3C哨戒機に対し、艦載機のJ15戦闘機が高度差のない状態で約45メートルの距離まで接近した。【松浦吉剛】

毎日新聞

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