「一泡吹かせてやろうぜ」 監督の言葉にSUBARU奮起 都市対抗

2025/08/31 19:49 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ◇第96回都市対抗野球大会1回戦(31日・東京ドーム) 

 ◇○太田市・SUBARU8―3東京都・東京ガス●

 4年前に初優勝するなど、ここ数年の本大会の実績では東京都が上回っている。就任1季目の太田市・小川信監督は選手たちに声を掛けた。

 「一泡吹かせてやろうぜ」

 この監督の言葉に、選手たちも奮起した。

 三回、先頭の新人・江川岳が四球を選んだのをきっかけに1死一、三塁を作った。江川は直前の右飛でタッチアップして三塁に進んでいた。

 ここで調子の良さと長打力を買われて1番に起用された森下智之が打席に入る。「併殺にはなりたくなかった」。東京都の右腕・伊東佳希の初球、内角直球138キロを引っ張ると、打球は一、二塁間を破った。チーム初安打となる適時打で待望の先取点をもたらした。

 勢いづくと止まらないのが今年の太田市の打線だ。藤原龍之介も中前適時打で続く。投手が代わってからも、「積極的に振っていく」と5番・後藤克基が初球の真っすぐをとらえて中前適時打とすると、古川幸拓も中前適時打で続いた。

 結局、この回、打者10人を送って2度の2連続適時打で一挙5得点を挙げて、主導権を握った。

 打撃向上は今季からチーム全体で取り組んでいる筋力トレーニングの成果の表れでもある。さらに7年目の森下は、昨年までとの違いを口にする。

 「今年は乗ってきたら複数得点が多い。昨年より一層一体感がある。ベンチが盛り上げてくれるので、乗ってくる感じがある」

 優勝経験のあるチームを破っての3年連続の初戦突破を、小川監督は「本当にうれしい」と素直に喜んだ。過去2年はいずれも2回戦で敗れているだけに「2回戦突破に100%を持っていく」と気を引き締めることも忘れなかった。【武藤佳正】

毎日新聞

スポーツ

スポーツ一覧>