全国初、女子バレーと男子バスケ同日同会場試合 メリットは? 岡山

2025/09/17 17:16 

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 競技は違えど、同じ思いがあれば手を取り合える――。バレーボール女子・SVリーグの岡山シーガルズとバスケットボール男子・B3リーグのトライフープ岡山がタッグを組み、今秋始まるシーズンで2度、同じ日に岡山市北区のジップアリーナ岡山(10月1日からシゲトーアリーナ岡山に改称)で公式戦を開催する。SVリーグ女子クラブとBリーグ男子クラブによる同一会場同日開催は全国初で、両クラブは「一緒に岡山のスポーツシーンを盛り上げたい」と意気込んでいる。

 同日開催するのは、土曜から月曜にかけての3連休の中日に当たる11月2日と2026年2月22日。いずれも正午過ぎからシーガルズが試合を開催し、終了後に観客を入れ替えて午後6時半からトライフープが試合に臨む。

 ファン層拡大を狙い、11月はチケット保持者の相互招待も実施する予定。例えば土曜か日曜のシーガルズ戦のチケットがあれば、日曜か月曜のトライフープ戦に無料で入場できる。普段とは違うファンにもプレーを見てもらえるとあって、9月11日に開いた共同記者会見でシーガルズの長瀬そら主将は「いろんなファン層にアプローチできればいいな」。トライフープの秋山熙(ひかる)主将は「展開が早く、体がぶつかり合うこともある迫力を(バレーファンにも)楽しんでもらいたい」と力を込めた。

 ともにジップアリーナをホームとする両クラブは、これまで日程調整に苦心してきた。県内最大規模のアリーナは一般の利用希望も多く、トライフープの吉田大貴・フロント統括は「プロスポーツが毎週のように試合をすることはアマチュアの機会を奪うことにつながりかねないが、同日開催なら2チームが2週にわたって利用していたのが1週で済むので、数年前から(両クラブで)協議を進めてきた」と明かす。

 試合間に会場の仕様をスムーズに転換できるかどうかに課題は残るが、会場使用料や警備など共通でかかる費用は折半できる上、双方の試合に足を運んでもらうことで物販の売り上げを伸ばすチャンスも広がる。シーガルズの安田良平・事業担当取締役は「どれほど大変かはやってみなければ分からないが、メリットは大きい」とし、「今回うまくいけば次のシーズン以降の実施も考えたいし、(卓球Tリーグの)岡山リベッツも巻き込めると面白い。競技の垣根を越えて取り組んでいきたい」。初の同一会場同日開催は、地域のスポーツ活性化に向けた“共闘”の第一歩だ。【平本泰章】

毎日新聞

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