伯桜鵬、シンプル思考で冷静に 2場所連続の金星 大相撲秋場所

2025/09/17 21:39 

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 ◇大相撲秋場所4日目(17日、東京・両国国技館)

 ◇○伯桜鵬 突き落とし 大の里●

 横綱相手にも冷静だった。やることが明確だったからだ。「右を差されず、前に出続ける」。シンプルな思考で2場所連続の金星につなげた。

 立ち合いの直前、横綱がやや右にずれているのに気が付いた。馬力のある大の里と「正面衝突」しないようにするため、伯桜鵬は真っすぐ前に出ると、頭を低くして相手の動きについていく。土俵際に追い込まれて徳俵に右足をかけたが、最後は体を残して捨て身の突き落としで逆転した。

 落ち着いているのは伊勢ケ浜親方(元横綱・照ノ富士)の教えを胸に刻んでいるからだ。「目先の結果を気にするな。2、3年後を見据えて相撲を取れ」。これまで絶対に負けたくないという気持ちで土俵に上がっていたが、肩の力が抜けて集中力が高まった。

 3日目は西横綱・豊昇龍に敗れた。変化に対処できず、まわしを取られたことが敗因の一つとなったが、東横綱には土を付けた。八角理事長(元横綱・北勝海)は「地力がついている」と評する。

 大の里との取組には約30本の懸賞金がついた。支度部屋に戻ってきてもほおを緩めなかったが、分厚い懸賞金をどうするか問われると、にんまり。「付け人にちょっとあげようかな。うそです」。22歳。口も滑らかになって余裕が出てきた。【黒詰拓也】

毎日新聞

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