日本ハムの「達ちゃん」ドラマ起こせず 届かなかった甲子園

2025/10/20 21:28 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ◇ソフトバンク―日本ハム(20日・みずほペイ)

 コアな野球ファンだろうか。ソフトバンクとの最終戦を前に、ある書き込みが交流サイト(SNS)上で目立った。「達ちゃん、甲子園へ連れてって」。高校野球をテーマにした、往年の大ヒット漫画「タッチ」の名シーンになぞらえて、思いを託された日本ハムの先発・達孝太が六回途中2失点と踏ん張った。

 6回無失点と好投した第1戦から中4日。本人は「もう一度登板機会が回ってきたときのために準備をしていた」と満を持してマウンドに登った。

 150キロ超の直球を見せ球に変化球を主体とする配球がこの日も光った。特に顕著だったのは、三回先頭の野村勇の打席。フォークを3球続けて遊飛に打ち取った。加藤武治投手コーチも「初戦より状態がいい」と評価したほどの内容で、ソフトバンク打線に向かい合った。五回に四球をきっかけに作ったピンチで失った1点があまりに重かった。本人も降板後、「悔しいです」とコメントした。

 チームはクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで第1、2戦を落とし、崖っぷちに立った。だが、「ここから四つとれば、ドラマが起きる」という新庄剛志監督の言葉に導かれるように3連勝し、持ち込んだ第6戦。セ・リーグ王者・阪神の待つ甲子園への扉は開きそうで、開かなかった。【岸本悠】

毎日新聞

スポーツ

スポーツ一覧>