<デフリンピック>実は初参加の「お家芸」 デフレスリング、元日本王者が銅
東京デフリンピック第8日は22日、府中市立総合体育館でレスリングが行われ、男子グレコローマンスタイル130キロ級の3位決定戦に臨んだ曽我部健選手(41)=日亜化学工業=が銅メダルを獲得した。
オリンピックではメダルを量産するレスリング強国の日本だが、デフの世界には競技団体すら存在せず、今大会が日本勢としての初出場だ。
曽我部選手はかつて健聴者の大会で日本一を何度も経験している実力者。前日の準決勝で敗れ、3位決定戦に回った。ウクライナ選手の体を倒し、最後は寝技でローリングも決めて5―1で降した。銅メダルに「最低限の仕事ができた」と安堵(あんど)しつつ、その胸中を「最高」と表現した。
生まれつき難聴だが、右耳はある程度聞こえるため、ずっと健聴者に囲まれてきた。
レスリングは高校で始めた。審判が吹く笛は聞こえない。審判の口元と相手の動きを見て瞬時に判断し仕掛ける練習を積み、健聴者と対等に渡り合ってきた。
高校、大学で日本一を経験し、2008年の北京五輪出場を目指したが、かなわなかった。10年の国体で優勝した後は本格的な練習はほとんどせず、競技との距離が徐々に広がっていった。
ところが東京デフリンピックに向けて、健常の競技団体である日本レスリング協会がデフアスリートの強化も担うことになった。
引退するつもりだった曽我部選手は昨年、選手発掘のトライアウトに知人を通じて誘われた。そのときに「デフリンピック」という言葉も初めて知った。
周囲からは「耳が悪い(聴覚障害がある)ことをあえて広めるのか」と後ろ向きな意見もあった。だが、世界と戦う舞台に興味が湧いた。1週間悩んで参加すると、実績十分の曽我部選手に白羽の矢が立った。
故郷の徳島で昼夜を分かたぬ工場勤務をこなしながら、平日は筋力トレーニングで基礎体力を付けた。実戦的な練習は車で1時間半ほどの距離にある県内の高校に出向いて1カ月に1回程度するのがやっと。限られた環境ながら、かつてともに汗を流した仲間が今度は指導者として力を貸してくれた。
「耳が悪くてもレスリングができることを広げたい」。歴史を開いた「恩返し」のメダルが、競技の未来を明るく照らすことを願っている。【川村咲平】
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