大一番で体現した理想のサッカースタイル 鹿島9年ぶりJ1王座奪還

2025/12/06 21:00 

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 ◇○鹿島アントラーズ2―1横浜F・マリノス●(6日・メルカリスタジアム)

 王者は貪欲だった。鹿島は目指すスタイルを前面に出して戦い、タイトルをたぐり寄せた。

 今季挑戦を試みながら、なかなか機能しなかった主導権を握るサッカーを、最終節で体現してみせた。前節まで全て3得点以上で4連勝と勢いに乗っていた横浜マを相手に、ほぼワンサイドゲームと言えるほどボールを支配した。

 前半20分。センターサークル内から右前方へ素早くボールをつなぐ。一度はシュートミスしたMF荒木遼太郎が粘って後方宙返りをするように中に浮き球を送ると、FWレオセアラが右足ボレーで豪快に先制点をたたき込んだ。

 今季、加入したレオセアラは後半12分にも追加点を挙げ、21ゴールとして初の得点王に輝いた。頼れるストライカーは「シーズン当初から目指していたものを、集大成として出せた」と誇らしげだった。

 終盤に横浜マに1点を返されたが、試合を通じて打たれたシュートはわずか2本。GK早川友基は「安心してゲームを後ろから見られていた」と語る。

 今季は僅差の勝利を積み重ねたことで、9年ぶりの王座奪還へとつながった。だが、目指しているのは独走できるほどの強さだ。

 鬼木達監督は「全然まだまだ圧倒できるような力はついていない」。理想はどこまでも高く。鹿島の飢えは、こんなものでは収まらない。【高野裕士】

毎日新聞

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