<青赤のピッチサイドから>MatchPHOTO J1浦和戦 ムードメーカーのこだわり
<2月14日 J1百年構想リーグ FC東京 1―1(PK5―3) 浦和レッズ>
「俺は一人で守れるから、下がってこなくていい」
FC東京の佐藤恵允選手が右サイドでコンビを組む、明大の先輩・室屋成選手から受けている指示だ。
それでも、佐藤選手はピンチとなれば自陣深くまで戻り、体を投げ出す。
それにはこだわりがある。
とにかく、攻守でピッチを走り回る。浦和との試合では、チームで2番目に多い18回のスプリントを記録。走行距離も常にチーム内で上位を誇る。
それだけではない。ピッチ外では、明るい性格でチームを盛り上げる。試合前、集合写真の撮影時に「5、4、3、2、1」を絶叫。このカウントでチームのスイッチを入れる。
冒頭の言葉は試合後、取材を受ける室屋選手から出た言葉だ。
「攻撃的な選手なのに、一度戻ってから守備をするのはなぜなのか」。佐藤選手に尋ねてみた。
「昔からやっているので癖になっています。一回深く沈んで、前向きでプレッシャーをかける方がやりやすい。後ろ向きで相手を追いかけるよりも自分的にやりやすい」
試合は、両チームとも一進一退の難しい展開となった。そこに変化をつけたのが、佐藤選手の走りだ。
後半20分、稲村隼翔選手からロングパスを受け、一気に相手陣地の深くに攻め入った。「稲村選手と話してチャンスを狙っている。一発で局面を打開できるので増やしていきたい」
FC東京は2試合連続でPK戦の末に勝利を手にした。試合終盤、チームを救う同点ゴールを決めたのは、今季加入した山田楓喜選手だ。
佐藤選手は正直な気持ちを隠さない。「チームとしては同点ゴールはすごくありがたい。でも、自分としては悔しい。競争を続けていきたい」
簡単に、ポジションを譲るつもりはない。青赤のムードメーカーはチームのために走る続ける。【藤井達也】
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