「人として強く」 スピードスケート新濱立也を変えた妻の言葉
北京冬季オリンピックでのスタートダッシュ失敗、合宿中の交通事故……。スピードスケート男子、新濱立也選手(29)=高崎健康福祉大職=にとって、この4年間は試練の連続だった。
再び五輪に戻ってこられたのは「人として強くなった」からだという。
新濱選手を変えたのは、五輪メダリストの妻だった。
◇「妻と出会い前向きに」
長野市内のホテルのロビーに、笑い声が響く。
ミラノ・コルティナ五輪への出場を決めた2025年12月末、新濱選手は妻と喜びを分かち合った。
妻は、カーリングチーム「ロコ・ソラーレ」の吉田夕梨花選手(32)。24年5月に結婚した。
新濱選手は照れくさそうに言った。「妻と出会って前向きになれた」
◇金メダル候補の重圧
身長は180センチを超え、体重は90キロ前後。長野五輪金の清水宏保さんら短距離で活躍した日本人選手はいたが、新濱選手ほどの大柄な選手は珍しい。
北海道別海町で生まれ育ち、漁師の父を持つ。恵まれた体格から生まれるエネルギーで爆発的なスタートダッシュを切り、ぐんぐんと加速する。
そんな持ち味を武器に、世界の頂点を狙える選手へと成長した。
20年の世界距離別選手権で銅メダル、世界選手権のスプリント部門では総合優勝。22年北京五輪は金メダル候補として迎えた。
ところが、見せ場のスタートでバランスを崩してしまう。
周囲から期待される中、「勝って当たり前」と自分自身を追い込んで迎えた500メートルのレース。強い思いは力みを生み20位に終わった。
◇次々訪れる試練も
大会直後はふさぎ込んだ。そんな時、支えてくれたのが吉田選手だった。
カーリング選手として五輪で活躍し、18年の平昌大会では銅、22年の北京大会では銀に輝いた。
試合中のかけ声「そだねー」は流行語となり、「もぐもぐタイム」とともに世間の注目を集めた。
新濱選手は「自分が深刻に悩んでいても『大丈夫でしょ』と言ってくれる。その明るさに救われている」と語る。
新濱選手は北京五輪後も数々の災難に見舞われた。ミラノ五輪に照準を合わせ、練習を積んでいた25年4月。個人合宿中の沖縄県・石垣島で交通事故に遭い、顔の骨を折るなどの大けがをした。
入院で約2週間は体を動かせず、体重は約4キロ減り、筋肉も落ちた。
「五輪に出られないかもしれない」。
応援してくれる妻への申し訳なさがこみ上げた。
そのときも競技の話には触れず「生きていてくれて本当に良かった」と気遣ってくれた。
「諦めずに頑張ろう」と踏ん張り、シーズンに間に合わせた。
◇雪辱のスタートラインへ
代表選考を兼ねた昨年末の全日本スピードスケート選手権大会の直前には、試合用のブレード(スケート靴の刃)が故障するハプニングも起きた。
そこでも妻の「大丈夫だから」の言葉を聞き、自然と落ち着くことができた。
替えのブレードで臨んだ試合で大会記録を更新する滑りを見せ、500メートルの代表権を獲得した。「悪いことは、全てブレードが持っていってくれた」と笑う。
吉田選手もロコ・ソラーレで五輪を目指したが、かなわなかった。
「私の分まで頑張って」と託された新濱選手は「メダルを取って、妻に『3大会連続』のメダルをかけてあげたい」と力を込める。
これまでの苦労を見てきた吉田選手は夫に五輪を楽しんでほしいと願う。「五輪の全部の瞬間を覚えておいてほしい。ケガをしないようにね」とエールを送る。
再びたどり着いた雪辱の舞台。14日(日本時間15日午前1時開始予定)の500メートルでは、妻への感謝を胸にスタートラインに立つ。【山田豊】
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