しゃばしゃばな雪に、半袖の選手も 冬季パラの3月開催は限界か
強い日差しに照らされた雪はシャーベット状に溶け、コース脇では土や枯れ草が一部露出していた。
15日に閉幕したミラノ・コルティナ冬季パラリンピックは、地球温暖化の影響が浮き彫りとなった。舞台となったアルプスの山間部は気温の上昇で雪質が変化し、選手らから戸惑いの声が上がった。
「(雪質が)どこも軟らかく、ぬかるみにはまる条件だった。非常に難しい中のレースだった」
ノルディックスキー距離男子立位で8大会連続出場のベテラン、新田佳浩選手(日立ソリューションズ)は11日の10キロクラシカルのレース後、雪の状況について、そう語った。気温は8・6度で、汗を拭いながら長袖をまくったり、半袖を着用したりする選手が見られた。
アルペンスキーも同様だった。銀メダル2個を獲得した女子座位の村岡桃佳選手(トヨタ自動車)は「(コースの)下の方は(液体状の)しゃばしゃばな雪になってきたので、本当に難しい」と振り返った。
日本選手団の大日方(おびなた)邦子団長も「(選手たちは)ここまで雪がないことを想像していなかったと思う。3月に雪のある環境でパラリンピックを行うことが難しくなってきている」と指摘した。
米研究機関クライメート・セントラルの報告書によると、コルティナダンペッツォでは50年前と比べ、3月の平均気温は約2・5度上昇した。氷点下の日数は1956~65年で年間平均214日だったが、2016~25年は約2割減の年間平均173日となった。報告書では「(雪でぬかるんでいると)けがのリスクが高まり、スタート順の遅い選手ほど不利なコンディションになる」としている。現在、49都市が冬季パラの開催に適した条件を備えているが、50年代までに22都市に減少する可能性があるという。
3月に開催される冬季パラは、4年前の北京大会でも気温上昇が指摘されるなど、これまでも「暖冬」に悩まされてきた。国際オリンピック委員会(IOC)は2月、開催時期について、五輪を1月、パラを2月に前倒しする検討に入っていることを明らかにした。
国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長は閉会式で「最大規模で最も美しい冬季パラリンピックになった」と自賛したが、課題は山積している。【コルティナダンペッツォ遠藤龍、下河辺果歩】
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