ジュニアでない兄2人が語る帝京・仁礼パスカルの変化 センバツ
選抜高校野球大会に16年ぶりに出場した帝京(東京)のエース左腕・仁礼(にれい)パスカルジュニア投手(3年)は、ナイジェリア出身の父を持つ3人兄弟の末っ子だ。アルプススタンドから投球を見守った2人の兄には、その姿はどのように映ったのか。
長男フォーチュンさん(20)と次男ブライトさん(19)はともに大学生。3人とも鹿児島・奄美大島出身の母が名付けた。三男は父が自身の名前「パスカル」を継がせ、さらに1人だけ「ジュニア」を入れたという。
19日の開幕試合で帝京は、世代屈指の好左腕・末吉良丞投手らを擁し、昨夏の甲子園を制した沖縄尚学に挑んだ。
フォーチュンさんは「自分のことのように緊張する」と話す一方、マウンドの仁礼投手に対しては「もっとやれるんじゃないか」とやや辛口だった。
ブライトさんは「持ち味の打たせて取る投球で、良いと思います」とほほえんだ。
そんな2人は仁礼投手の性格を「甘えん坊で、いかにも末っ子」と口をそろえる。
「お菓子をみんなが見えるところに置いていると、気づいたら(仁礼投手が)食べちゃってなくなっている、みたいなことがよくあった」とブライトさん。フォーチュンさんは「だからこそみんなからかわいがられて、愛されるキャラだと思います」と話した。
3兄弟は幼い頃はそろって野球をすることもあったという。
2人の兄は既に引退しているが、フォーチュンさんは外野手、ブライトさんは内野手、そして仁礼投手は子供の頃から投手だった。
「小学生の時は、そんなにすごい投手というわけでもなかったんですけどね」とブライトさん。フォーチュンさんは「高校に入ってから様子を知らなかったが、もともとは速球派だったのが技巧派に変わっていた」と変化を見て取る。
仁礼投手が、右足を上げてから、ためをつくるようにして腕を振る独特の投球フォームにたどり着いたのは高校1年の冬のことだった。
本人いわく、それまでは速球派左腕として鍛錬を積んでいたが、フォームを見失って「投げ方が分からなくなった」という。
「速球にこだわるよりはチームを勝たせるような投手になりたい」と、技巧派へ「転向」した。
球速は130キロ前後ながら、変化球との組み合わせで勝負するスタイル。兄も驚く大胆な変化だったが、それが実って甲子園までたどり着いた。
1回戦では末吉投手との投げ合いを制した。24日は中京大中京(愛知)との2回戦。見守る2人の兄に、再び吉報を届けたい。【吉川雄飛】
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