4月の食品値上げ、4225品目 1年半ぶり高水準、コスト増で

2025/03/31 11:53 

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 帝国データバンクは31日、4月に値上げが予定される飲食料品が4225品目に上ると発表した。値上げのピークだった2023年10月以来、1年半ぶりの高水準。同社は「値上げの勢いは前年に比べて大幅に強まっている」としている。

 主要食品メーカー195社を対象に調査した。食品分野別にみると、値上げ品目数の最多は、調理用みそ製品を中心とした「調味料」で2034品目。次いで缶ビールや缶酎ハイ、コーヒー飲料などの「酒類・飲料」が1222品目、ハム・ソーセージ製品や冷凍食品などの「加工食品」が659品目で続いた。

 値上げ要因のトップは「原材料高」だ。天候不順による生育不良のほか、これまでの円安による肥料価格の上昇、燃油などのエネルギー、輸送費用といった間接コストが重なった。加えて、ドライバーの時間外労働の規制に伴う「物流費」や、人手不足による昇給・賃上げによる「人件費」といったサービス由来のコスト増が拡大している。

 帝国データバンクは25年の値上げ傾向について、「賃上げによる人件費や物流費といった粘着性の高い値上げ要因が押し上げる」と指摘。24年の値上げ品目(1万2520品目)を上回り、「最大で年間2万品前後に到達する」と予想している。【嶋田夕子】

毎日新聞

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