トランプ関税「先行きが読めない」 世界同時株安、経済界は戦々恐々
トランプ米政権が発表した関税強化策を受け、世界同時株安の様相が続いている。4日の東京株式市場は前日に続きほぼ全面安の展開となり、欧州やアジアにも動揺が拡大。この日は中国による対米報復となる追加関税の実施方針も明らかになった。経済界や金融当局の関係者は世界経済の減速リスクに相次いで言及し、「先行きが読めない」と戦々恐々としている。
米政権が関税強化策を発表した翌日以降、日欧で株価が下落。ニューヨーク市場もダウ工業株30種平均が急落した。また、タイやベトナムなど、日本企業の生産拠点が多いアジア市場でも東京市場と同様に下落が続いている。
日米の株価は1月以降、米政権の関税強化策が具体化していく中で下落傾向にある。日経平均はこの1週間で3000円以上も下落。年初は4万円台に乗せていたが5000円以上下落した。ダウ平均も2月は4万4000ドル台だったが、今は4万ドル割れが迫る。市場関係者は「関税政策に対する不透明感が市場の重しとなるような動きは来週も変わらない」と分析。株価回復の兆しは見えそうにない。
日本では株価急落のリスクを避けようとする動きが広がる。4日の債券市場では、安全資産とされる日本国債が買われ、長期金利の指標である新発10年債(378回債)の利回りは1・16%まで低下した。
また、4日の外国為替市場の円相場は円高・ドル安が進行。中国の報復関税の発表などもあり、海外市場では一時1ドル=144円台後半で取引された。2024年10月上旬以来となる約半年ぶりの円高水準だ。関税強化策発表前の2日の東京市場の円相場は1ドル=149円台半ばだった。
みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは、景気後退と物価上昇が同時に起こる「スタグフレーション」への警戒が高まり、ドルを売って円を買う流れが活発化したとみる。
◇身構える経済界や金融当局
国内外の経済界や金融当局の間でも世界経済減速への不安が広がっている。
産業用ロボット大手の安川電機(北九州市)の小川昌寛社長は、4日開かれた記者会見で「しばらく我慢すれば米国経済が上向くのか、それともそのまま米経済が疲弊するか。米国の体力次第だが、今は読めない」と先行きを不安視した。
日銀の植田和男総裁は4日の衆院財務金融委員会で、世界や日本の経済に「下押しの圧力を働かせる要因になる」との見解を示し、「内外の経済・物価を巡る不確実性は高まったとみている」と指摘した。
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事も3日、声明を発表。「世界経済の見通しにとって重大なリスクであることは明らか。さらなる打撃を与えかねない措置を避けることが重要だ」と警鐘を鳴らす。
今後、市場はどう動くのか。みずほ証券の山本氏は、直近の米国の景気指標が悪化すればドル売り圧力が強まり、年内には1ドル=140円台程度まで円高・ドル安が進む可能性を指摘。「円安を背景に好調を維持してきた自動車など輸出企業には打撃となるだろう」と注視している。【秋丸生帆、福富智、久野洋】
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