米政権 中国への「トランプ関税」大幅引き下げ検討か 米紙報道

2025/04/24 01:24 

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 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは23日、トランプ米政権が中国への大幅な関税引き下げを検討していると報じた。計145%に引き上げている関税率を50~65%にする案などが浮上しているという。市場では、米中貿易戦争の激化が和らぐとの好意的な見方が広がっている。

 報道によると、米国の国家安全保障に影響が薄い品目の税率を35%に引き下げる一方、重要物資には最低100%を課す案も出ているという。まだ流動的で最終決定はされていない。

 ベッセント財務長官は23日、記者団に対し「緊張緩和に向けた大統領からの一方的な提案はない」と述べ、米国から先に関税引き下げを持ちかけることはないと主張。一方、現在の両国による高関税が「持続可能ではない」との認識を改めて示し、「互いに下げ合うやり方なら驚かない」と述べた。

 1月に発足した第2次トランプ政権は、中国に対し合成麻薬の流入対策の不備を理由に20%の制裁関税を発動。さらに、中国に対する巨額の貿易赤字を問題視し「相互関税」を課すと発表した。当初は34%だったが、中国の報復措置を受けて税率をさらに引き上げ、最終的に125%となった。第1次政権時代に発動した関税に計145%を追加する異常事態となっている。

 一方、中国も米国の相互関税と同率の125%の報復関税を発動済み。両国の輸出入が滞り、事実上の「禁輸」状態に陥りつつある。

 23日の米ニューヨーク株式市場では、米中対立の緩和観測でダウ工業株30種平均が上昇。上げ幅は前日終値比で一時1000ドルを超えた。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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