「企業取引研究会」開催、物流問題解決目指す 下請け法カバーできず

2025/07/30 19:20 

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 公正取引委員会と中小企業庁は30日、価格転嫁の推進などについて話し合う有識者会議「企業取引研究会」を開催した。下請け法ではカバーできない着荷主を巡る物流業界の課題や知財問題などについて、独占禁止法での規制を検討する。

 来年1月に施行される「改正下請け法(新名称・中小受託取引適正化法)」では、新たに物流の取引も規制対象に加わる。一方で、運送事業者が届け先の着荷主に無償で長時間待機させられたり、荷降ろし作業を手伝わされたりする問題については、両者が直接の契約関係にないため下請け法では規制できないという。

 また弱い立場の業者が知的財産を取引先に吸い上げられる課題や、資本金などの要件から下請け法の適用外となるサプライチェーンの問題なども取り上げる。これらを独禁法の禁じる「優越的地位の乱用」で規制できるか話し合っていく。

 研究会の開催は、下請け法改正に向けた報告書案をまとめた2024年12月以来初めて。【渡辺暢】

毎日新聞

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