明治安田生命、70代の元営業が客から2億円詐取 架空商品持ちかけ

2025/12/12 20:57 

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 明治安田生命保険は12日、群馬支社(前橋市)に勤めていた70代の元女性営業職員が、架空の金融取引を複数の客に持ちかけて現金を集めていたと発表した。少なくとも2010年以降、17人から計約2億円を集めていたとみられる。同社は元職員を11月に懲戒解雇し、群馬県警に刑事告発すること検討している。

 明治安田生命によると、元職員は1995年から群馬県内で勤務していたベテラン。県内の個人客に対し、実際には存在しない架空の信託商品の話を持ちかけ、高い利率で返金すると説明していたという。同社では営業現場で顧客と現金でのやりとりを禁止しているが、元職員は社名の記載された領収書を偽造して現金を客から預かっていた。

 今年9月下旬、不審に思った顧客から同社に、不適切な取引の疑いがある旨の相談があり、社内調査を行って発覚した。同社はほかにも被害がないか調査を続けている。被害者には同社が今後代わりに返済して、元職員に請求する方針。

 元職員は客から現金をだまし取ったことを認めており「私的な交際費に充てた」と話しているという。同社は「被害にあわれたお客様に深くおわび申し上げる。全社をあげてコンプライアンス体制のいっそうの強化に努める」としている。

 生命保険会社の営業職員の着服を巡っては、第一生命保険で20年に元職員が顧客から19億円を詐取した不正が発覚している。【山口智】

毎日新聞

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