高市政権注力の防衛 予算案は9兆353億円、12年連続で過去最大
政府が26日に閣議決定した2026年度予算案は、一般会計の歳出総額が122兆3092億円になった。高市早苗政権が注力する防衛はどんな内容となったのかを解説する。
防衛関係費(米軍再編関係経費を含む)には、12年連続で過去最大となる9兆353億円(前年度当初予算比3・8%増)を計上した。
防衛力の抜本的強化に向け、2027年度までの5年間で43・5兆円(契約ベース)を投じる防衛力整備計画の4年目で、今回の予算案を含めると81%に達した。
ロシアによるウクライナ侵略以降の新しい戦い方への対応として、無人機を大量に活用する沿岸防衛強化構想「SHIELD(シールド)」の構築に1001億円を充てる。
ドローンなどの無人航空機や無人水上艇、無人潜水機を数千機調達する。中国を念頭に対領空侵犯措置に米国製の無人偵察機「シーガーディアン(MQ9B)」を活用する検証飛行として11億円を盛り込む。
敵の射程圏外から高精度で攻撃する「スタンドオフ防衛能力」の整備に9733億円を計上し、301億円をかけて音速の5倍以上で飛ぶ極超音速誘導弾や地上装置を初めて取得する。日英伊で共同開発する次期戦闘機の開発に1602億円、次期戦闘機と連携する人工知能(AI)を用いた無人機の研究開発に48億円を投じる。
継戦能力を向上するため、米国製中距離空対空ミサイル(アムラーム)の国内製造検討と、装備品整備への3Dプリンター活用調査にそれぞれ3億円を新たに計上。自衛官の処遇改善として5814億円をかけて隊舎を建て替えたり、新たな手当を創設したりする。
組織改編では、航空自衛隊の宇宙空間での能力を強化し、航空宇宙自衛隊へ改編する。南西地域の防衛体制を強化するため、陸上自衛隊第15旅団(那覇市)を師団に格上げし、約2300人から約3900人体制に増やす。防衛相の危機管理面の負担を軽減するため、副大臣を1人から2人体制に変更する。【竹内望】
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